信号待ちの こびと

子どもの世界は、何にでも出会え、どこにでも行け、この世は、「不思議」と、

「わくわく」に満ち溢れています。

 

朝バスの中・・。いつも通りの朝でした。

ところが・・・!!

 

信号待ちの車内で、窓の外を見ていたKくんが叫びました。

「あれっ!?こびと!!!あそこに、こびとがおるよっ!!!!!!!」

 

全員でKくんが指さす方向にじっと集中していました。

横断歩道の向こうの植え込みの中です・・。

 

「ほんと!!おるおる」

「みたみた!おるねー」

「あっ。ほんとやね。おるおる」次々と、その”こびと”は目撃されていきます。

とうとう、バスに乗っているお友だち全員が、見ちゃいました。勿論、先生も♬

紫色の服を着た、その”こびと”は、バスが発車してからも、小さな馬にまたがり、バスを追いかけてきます。子どもたちは、車窓から見える”こびと”を目で追いかけて、もう、夢中。

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見ていると、”こびと”の数はどんどん増え、

マンションこびと、リレーこびと、やまこびと、くさこびと、スイミングこびと、

ひだりこびと、そして、伝説のこびと・・・。

出てくる出てくる”こびと”たち(^^♪ 今、見えてるものでネーミング。

とっても、楽しそう♬ 言葉の世界を楽しみます。

 

 

そして、とうとう、出ました「闇こびと」(!)バスごと、げろり!!と飲み込んでしまうようです。

「早く!もっとスピード出して!!逃げて!おいつかれる~!!」とバスの運転手さんに訴えます。

そこに、なんと、「例のあの、みずいろこびと」が登場。友だち同士で顔を見合わせ、おびえ合います。「どうしよう。とうとう、みずいろがでた?!」なんて言いながら・・。

だんだん、ストーリーが盛り上がってきました。(どきどき、わくわく)

と、思ったら、「ど根性こびと」の登場です。(待ってました!)

突然、バスの中は、「ど根性ガエル」の主題歌の大合唱になり、”こびと”たちは、

あの、小さな馬にまたがり(?)どこかへ去っていきました。

 

本当は目には見えなかった”信号待ちのこびと”。

友だちと、その見えない何かを、「見える見える」と言い合う時の、あの何とも言えない心地よさ。今までの生活経験や、想像力で世界を創り、自由にその空間で友だちと響き合いながら、わくわくと心を躍らせ、イメージを共有して膨らませていく豊かな子どもの世界・・。

そこに身を置き、心の目を研ぎ澄まさせてもらえる大切な時間でした。

           ありがとう・・。