磯田光一記念文庫

  • HOME
  • 磯田光一記念文庫

磯田光一記念文庫開設にあたって

photo

2009年6月に「磯田光一記念文庫」を開設することになりました。
磯田先生は本学大学院設立の礎となられ、短期間ではありますが学部と大学院で英文学を講じ、多くの学生を育ててくださいました。(詳細は、年譜をご参照ください。)
2007年、ご夫人から磯田先生の蔵書寄贈のお申し出をいただきました。膨大な蔵書のうち、特に洋書は本学にまとめて寄贈したいというご希望でした。
記念文庫は総冊数約5,500冊。イギリスロマン派関係、オスカー・ワイルド、シェイクスピア、スウィフト他、広く英文学関係の原書と、研究のための周辺資料があります。その他、夏目漱石、永井荷風、萩原朔太郎、三島由紀夫関係、日本近代文学研究のための周辺資料、近代日本の思想や社会に関する資料など多岐にわたります。
当館では、開設、及び洋書目録完成に向けて、鋭意作業を進めております。なお、文庫総冊数が多いため、洋書以外の整理と目録作成は随時更新いたします。文庫開設日と記念行事についても、後日お知らせいたしますので、いましばらくお待ちください。

磯田光一先生に関しては、「磯田光一先生のこと」(佐藤泰正)(『英米文学研究』第23号(1987年・梅光女学院大学英米文学会)をご参照ください。

磯田光一先生 年譜

年号年齢事 項
1931年 横浜市に誕生
1960年29歳東京大学大学院修士課程修了。
修士論文は、"'Nature' in Wordsworth―An Ideological Study." 
東京大学文学部助手就任
1969年38歳中央大学退職
1976年45歳梅光女学院大学文学部・大学院文学研究科教授就任(英文学)
1979年48歳『思想としての東京』により第29回芸術選奨文部大臣賞受賞
『永井荷風』により第1回サントリー学芸賞受賞
1982年51歳神奈川文学振興会(神奈川近代文学館)理事・日本文芸家協会理事・
第14回日本文学大賞審査員に就任
1983年52歳梅光女学院大学・大学院教授辞任、客員教授となる日本近代文学館理事に就任
1984年53歳『鹿鳴館の系譜』により第35回読売文学賞受賞。
芸術院賞受賞 東京工業大学工学部教授就任。日本近代文学館常務理事就任
1985年54歳日本ペンクラブ常務理事、野間文芸新人賞選考委員就任
1987年56歳急性心筋梗塞のため急逝

著書・訳書(抜粋)

タイトル出版社年 号
エリザベス時代の世界像
(E.M.W.ティリヤード原著・翻訳)
研究社1963年 
殉教の美学冬樹社1964年
比較転向論序説―ロマン主義の精神形態勁草書房1968年
昭和への鎮魂―現代精神史論集読売新聞社1976年
思想としての東京―近代文学史論ノート国文社1978年 
イギリス・ロマン派詩人河出書房1979年
永井荷風講談社1979年 
戦後史の空間新潮社1983年
鹿鳴館の系譜―近代日本文芸史誌文藝春秋1983年
昭和作家論集成新潮社1985年
左翼がサヨクになるとき―ある時代の精神史 集英社1986年
萩原朔太郎講談社1987年

論文・評論(抜粋)

タイトル掲載誌年 号
『抒情』という罪―Keats: "The Fall of Hyperion"の意味英語青年1960年
ロミオとジュリエット英語青年1964年 
ヘミングウェイと現代アメリカ文学英語研究1966年
ロマン受容史の諸問題英文学研究1967年 
ユダヤ作家の虚実 文学界1970年
禁忌としてのアメリカ現代詩手帖1975年
個人的快楽について―サロメの動機ユリイカ1976年 
ロマン主義的世界像と日本イギリスロマン派研究1979年 
王権衰亡譚の東西―『源氏物語』と『リア王』ユリイカ1980年 
ロマン派評価軸の推移英語青年1982年
斎藤英文学の位置英語青年1982年
『新しい人よ眼ざめよ』におけるブレイクの今日性図書新聞1983年
英学史における昭和英語青年・別冊1984年

磯田光一先生「イギリス・ロマン派詩人」研究関連蔵書のご紹介

2009年6月6日に行われた磯田光一記念文庫開設記念特別講演会にて、本学吉津成久教授が触れられた本学所蔵の図書をご紹介いたします。
これらは全てイギリス・ロマン派詩人研究関連の図書です。

『イギリス・ロマン派詩人』 磯田光一著(河出書房新社 1979年)

photo:『イギリス・ロマン派詩人』 磯田光一著(河出書房新社 1979年)

これが出版された1979年、磯田先生は48歳。『思想としての東京』により第29回芸術選奨文部大臣賞を、『永井荷風』により第一回サントリー学芸賞を受賞された、まさに'充実の年'であった。

『オシアン』 ジェイムズ・マクファーソン作(1792年版)

photo:『オシアン』 ジェイムズ・マクファーソン作(1792年版)

スコットランドの文学者 James MacPhersonが1760年から63年に連続して発表した古代ケルトの叙事詩。初版刊行後から直ちにヨーロッパ各国で翻訳され、やがて英国ロマン派詩人台頭のきっかけとなった。
磯田先生の研究対象となった英国ロマン派詩集は、初版本も含めて発行年がきわめて古く、個人蔵書としては質量ともにこれまで類を見ないものである。

その他

  • 『シェリー詩集』(4巻)(1839年版)
  • 『バイロン全集』(6巻)(1825年版)
  • 『イーノック・アーデン』 テニスン著(1864年初版)
  • 『プレリュード』 ワーズワス(序曲、1850年初版)
  • 『チャイルド・ハロルド』 バイロン著(1816年初版)