
第2回(09/9/10-10/01/30)
2009年度「博学」連携展示!?学生奮闘日誌第2弾の始まりです。今回は梅光学院大学博物館における初の巡回展「山口県埋蔵文化財センター所蔵 <山口を掘る>(仮称)」 の展示構成と設営へ向けた動きです。
昨年と同様、ここでの主役は博物館学課程3年の実習生たちです。展覧会準備から開催、終了までの、刻々と実務を遂行し続ける学生たちの肉声をご紹介します。9/10展覧会オープンのおり、学生たちが取り組みに過ごした時間の「かたち」と共に、展示をご覧頂けましたら幸いです。ぜひご来館ください。
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第1回 ながと歴史民俗資料館見学へ 6月15日(月)
巡回展「山口を掘る」の第一回目の展示会場は、長門市東深川に所在する「ながと歴史民俗資料室」(会期4/1~6/28)です。展覧会の開催準備のため、実際にかかわる実習生10名は事前見学をおこないました。私たちが展示構成・設営に挑戦する資料群を前にした、その時の率直な印象や梅光展示に寄せた感想の一部を紹介します。
「照明の具合もちょうどよく、展示品の細部まで観察できた」(樋口)
「山口県内の遺跡はまだまだわからないことが多いので、もっと調べてみたいなと思えました。梅光では展示方法をちょっと変えてみたいな」(原園)
「梅光で展示会を行う際に参考にしなければならないところ、反面教師にしなければならないところと色々見ることができた。年代差がある遺物にはきちんと年代を明記するなど、わかりやすい記述に心がけたい」(菊川)「トリビア的な知識は見る人の好奇心を引けるのでなるべく書いておいた方が面白いだろう」(柳田)、
「本学では改善点を念頭におき、「伝わる」展示にすることが必要」(藤山)
「私たちは見えない過去を知るために、見える過去を解き明かしていく」(池永)。
いよいよ、私たちの巡回展準備が始まりました。(写真撮影は博学3年藤山佳子)
第2回 2班に分かれて議論白熱!双方、一歩も譲らず 7月6日(月)
今日は9月10日から始まる山口県埋蔵文化財センター所蔵品の巡回展実施に向けて、意見交換会を行いました。まず私たちは2班に分れ、ながと歴史民俗資料室の見学会の感想を述べ合った上で、本学での巡回展の展示構成について各自意見を出し合い、次の3案を挙げました。
(1)それぞれの遺跡から特にメインとなる展示資料を絞り、それを中心に発掘された5つの遺跡をご紹介する。
(2)特に詳しく紹介する遺跡を5遺跡から1~2遺跡に絞り、残りの3遺跡は規模を縮小して展示してゆく。
(3)遺跡別ではなく、お金やお墓といった遺物やテーマごとに紹介する。
議論は白熱し、展示構成については時間の関係上、来週に持ち越しとなりました。
他にも解説パネルをどの程度使用するのか、見学者が何かトリビア的な知識を得られる展示やパンフレット作りをしたら良いのではないかなど様々な意見や提案が出されました。
今回の展覧会では、高校生や大学生をメインターゲットとしている為、彼らに興味をもってもらえるような展示や広報活動を念頭に置いて進めてゆこうと考えています。来週は博物館の見取図を使用し、より具体的にどのような展示構成が出来るのかの検討を行うほか、ポスターやパンフレットの構成も考えてゆきます。
(文学部 日本文学科3年 福江里菜)
第3回 楽しく悩んで展示配置!? 7月6日(月)
今回の授業では、博物館展示室の平面図を見ながら具体的に展示配置を考えました。まず二つのグループに分かれて展示のテーマ、展示方法、何処にどの遺跡の資料を配置するか等の意見を出し合い、その後、互いの案を一つに取りまとめ、大まかに展示物の配置を決めました。私達Aグループの案は、五つの遺跡の中から、吉毛遺跡と真尾猪の山遺跡を選び、展示スペースも広く、詳しく紹介し、朝田墳墓群・上り熊遺跡・道祖ノ本遺跡は展示スペースを小さくして、各遺跡の特徴のみを紹介するという案でした。
一方のBグループ案は、展示物がパネルのみという朝田墳墓群の紹介を博物館の展示室外に配置して、この企画展の導入部として、来館者の関心を引くことに重点を置いたものでした。
残念ながら展示の手法を話し合うには時間が足りませんでした。結局、A・Bグループの案を元にして、導入部展示班、2遺跡の展示班、3遺跡の特徴紹介班の3班に分けて、次回までに各班で相談し、具体案を出してくることになりました。
かなり準備期間が押しているので、次回の授業では展示の仕方がほぼ決まることになると思います。
(文学部日本文学科 3年 柳田希望)
第4回 展示構成の確定!! 7月27日(月)
前回分かれた三グループ(導入部・メイン展示・その他)の代表者が展示構成の具体案を発表しました。その内容を受けて再度話し合い、図面上での展示は、今日でほぼ決定しました。導入部のスペースは当初の予定より狭まり、展示内容の変更を余儀なくされた所も出てきました。あとは展示資料を搬入して、実際に展示をするのみ。
準備期間がわずかな日数しかないため、前期試験も間近だというのに授業時間外も集まって、皆で相談し合った甲斐がありました。巡回展初日まであと少ししかありませんが、多くの皆様に来て頂ける展示にしようと、私たちは知恵を振り絞って一生懸命に頑張っています。
さて、次回は夏休み真っ最中の8月31日。当日は午前中に展示室を片付け、午後には巡回展の展示資料の搬入作業が入る予定です。借用資料の運搬作業は初めての体験で楽しみですが、壊さないようにしなければと不安もあったりです。初めてだらけの巡回展準備作業。次回の報告も楽しみにしていて下さいね。
(文学部 日本文学科3年 松原弘子)
第5回 搬入の実際・立会のもとで 8月31日(月)
いよいよ、巡回展の展示資料を搬入する日となりました。朝10時に大学博物館に集合し、まずは展示資料を受け入れられるように、全員総出で展示室や通路などの整理整頓をおこないます。その際に、資料を置くスペースの床に段ボールを敷き詰めました。さらに、運搬用のバスにもクッション材となる段ボールを敷き詰めます。
11時過ぎ、展示資料を受け取るために前展示会場の防府市文化財郷土資料館へ出発しました。この時、展示用品の買い出しで数名がぬけて、搬入出作業に向かった実習生は4名でした。向かう途中で昼食を済ませ、12 時過ぎには防府市文化財郷土資料館へ到着。
館の方々がすでに全て梱包を済ませた状態にしてくださっていたので、搬出作業の時間はたいへん短く、スムーズであっという間に終わった印象です。バスの中は人が座れなくなるんじゃないかと思うくらい展示資料でいっぱいになりました。
再び大学博物館に戻り、展示品搬入後は、資料を遺跡ごとに分けて、キャプションの確認作業を行い終了となりました。
搬入出の時には山口県埋蔵文化財センターの西岡義貴先生、防府市教育委員会文化財課の大林達夫先生にお世話になり、ありがとうございました。 展示資料は全てコンテナケースにきちんと梱包されてはいましたが、やはり資料の中にはもろく崩れやすいものもあり、扱いには十分注意しなければならないことを改めて痛感しました。
今までは机上プランであったものが、実際に博物館内に展示品が搬入された様子を見ていると、巡回展に対する実感がますます現実的になっていくようでした。
(文学部日本文学科3年 中村優)
第6回 展示設営の実際・パネルと格闘 9月4日(金)
今日の実習に参加した学生は2名と少数でしたが、それぞれ自分の分担する作業を黙々とこなしていきました。今回は、前回考えたパネル設置の図案をもとに、実際にパネルの展示をしました。木製の大きな掲示板に、数枚のパネルをピンで付けていきます。
まず始めに、掲示板には均等にレイアウトできるように中心線を凧糸で交差させ、それを基準線としてパネルを展示していきます。この基準線のおかげでパネルの配置がかなり楽になり、さらに、パネルが斜めに傾ぐのを防ぎ、できあがりが美しくなります。
しかし、いくら基準線をもとにしても、どうしてもパネルが傾いてしまったり、木板にピンがうまく刺さらなかったりと、パネルを配置するだけでも大変苦労しました。そして、実際に作業を終えて、改めて見直してみると、元の図案から配置の順番がおかしかったり、展覧会全体の構成上もっと直したほうが良い点が出てきたりと、見れば見るほど不十分な点がいくつもあらわれ、結局、一度貼ったパネルをはがし、さらにパネルを2枚追加して、順番も並べ替えた図案を再考案して展示し直しました。
結局、たった一カ所のパネル展示に丸一日かかり、作業を終えたときにはピンの取り外し作業で指先が痛くなってしまいました。でも、いろいろこだわって苦労したおかげで、納得のいくものが完成し、達成感と喜びも大きなものとなりました。導入部分の方も、担当者には看板に使用する文字文体にとてもこだわりがあるみたいです。造花で作ったかわいらしい花のコサージュは、今後どのように使用されるのでしょうか。こちらもできあがりが楽しみですね。
今回の巡回展は、参加する学生の一人一人がそれぞれに「こだわり」をもっています。来館される方には、ぜひその「こだわり」を観ていただきたいと思っています。
(文学部日本文学科3年 中村優)
第7回 メイン展示は4割仕上がる! 9月4日(金)
巡回展の開催まで遂に1週間となり、展覧会もだいぶん形になってきました。現在、私たちは導入部、メイン展示、サブ展示の3チームに分かれて展示設営を行っています。今回はメイン展示の活動状況をご紹介します。今日は、具体的にパネルと展示ケースの配置を決めた展示構成を仕上げる作業を行いました。まずは全体の構成予定図に基づいて可動式展示ケースを設置して、そばにはそれぞれの展示ケースへ納める資料が入ったコンテナケースを配しました。その後、展示物に付随するパネルを組立て、展示ケースの棚の角度調整などを行いました。
特に苦労したのは想定していたイメージと現実との違いです。実際に展示資料を置いてみると、棚と棚との間隔が広かったり、展示物が予想以上に大きかったり小さかったりと、調整が必要な点ばかりが見つかりました。
また、それらの改善点以外にも、パネルの目的や大きさなどから展示構成を変更しなければならないところもあり、なかなか難しい作業となりました。その為、構成を見直す際、佐藤学芸員のアドバイスのもと、「点ではなく面で考えること」に留意して構成を練り直しました。この考え方を具体的にいうと、一つの棚やパネルに拘るのではなく、一枚の壁面や展示室を「面」や「空間」として捉え、その中でどのように展示物やパネルを配して展示化していくのかを考えるということです。これにより、急な練り直しではありましたが、スムーズに再構成を完成させられたのではと思います。
ようやく形が見えてきたところで、まだまだ完成まで先は長いですが、来館された方が満足される展示となるように改善を重ね、より良い展覧会になるように頑張ってゆきます。
(文学部日本文学科3年 福江里菜)
第8回 垂れ幕を作る 9月8日(水)
展覧会のはじまりを告げるタイトルの垂れ幕。人目をひくための手段の一つであり、それは目に留まらなければ存在の意味が薄れてしまうモノです。よって、今回作った垂れ幕にはいくつかのこだわりがあります。その一つがサイズです。結果的に当初考えていたイメージよりも少し大きくなってしまいましたが、それでも納得がいくものになったと思います。また配色も目をひきやすく、かといって視覚的にうるさい感じにならないように工夫してみました。題字は鮮やかな朱色、その字が映えるように、バックの色彩は黒色。
そこで完成とも思いましたが、まだ余分な空間が多く、寂しい感じをうけたので、幕の上部に出品資料の一つである《寛永通宝》を模した黄色切絵を配し、下部には約1㎝角の紙吹雪を散らしてみました。
全体としては「和」を基調にした落ち着きを持たせながらも、「人目をひくこと」を忘れないような、垂れ幕が出来たのではないかと思います。如何でしょうか?
(文学部日本文学科3年 藤山佳子)
第9回 展示ケース設営 9月8日(火)
「上り熊遺跡・道祖ノ本遺跡・山崎古墳」の展示担当グループは、設営準備期間の後半期から作業を着手しました。まずは作成した配置図と見比べながら、実際に展示資料を配置しました。机上プランでは綺麗にケース内に納まると考えていた展示資料でしたが、その実際は詰め込みすぎて、窮屈な印象を受けました。そこで一旦当初のプランを解体して、遺跡ごとで展示品をまとめてみることにしました。
展示資料のサイズは、事前見学の折に観察して、その状況を把握しているつもりでした。ところが、大学博物館の展示ケースと見学先の展示ケースとは大きさが異なり、ガラスを透して「目に見える資料の大きさ」さえも違って見え、その相違点を考慮せずに配置すると、スペースにゆとりがない展示になるということが分かりました。その対策として、当初のプランで使用予定の展示ケースよりも、ひとまわり大きな展示ケースに換え、展示空間を広く見せられるように工夫してみました。
一番時間がかかるだろうと予測していた作業は、順路にあわせて年代順に展示資料を並べることでした。メンバーが悩んでいるところに、博物館学(考古学)担当の渡辺一雄先生からご助言を頂き、驚くほどスムーズに資料展示を終えることが出来ました。展示全体としては、目立たない部分に置かれた資料も、来館者の皆様にきちんとみていただけるように、メンバー全員でしっかりと話し合い、納得して設営しています。10日の公開を目指して、よりよい物を作っていきますので、ぜひとも博物館までお越しください。
(文学部日本文学科3年 益田勝成)
第10回 展覧会の前日 9月9日(水)
とうとう展示設営・準備の最終日が来てしまいました。 昨日までの作業はパネルと資料の配置。今日は個別のケースに収納された資料(石鏃や古銭など)を取り出す作業と、出入口の看板を設置する作業を行い、それで設営が終了します。遺物を丁寧に1点ずつケースから取り出し、資料写真と見比べながら展示していきました。展示が終わると、次は照明の再調整。昨日、一通り照明具の設置とライト調整を行っていましたが、照射に偏りが多く、結局やり直すことにしました。今回は不要な照明を消し、スポットライトだけをつけて調整できたので、照明の集光具合とその照射範囲がわかりやすく、作業も進みました。
その後、博物館と複合施設である図書館の正面玄関に看板を架ける作業に移りました。脚立を使い、天井フックを定位置に移動させ、ワイヤーで吊るす看板の縁に、落下防止として両面テープで固定したのち、吊り下げました。看板を支える人、フックを調整する人、総体を見て歪みを指示する人など、総勢6名の作業でした。
博物館の入口にも同様に看板をかかげて、設営が終了。散乱した工具や針金等の片付けを終えた時点でみな解散となりました。この巡回展が初めての設営だったので、最初は肩の力が入りすぎたりしたけれど、なんとか、かたちになりました。見に来ていただけたら幸いです。
(文学部日本文学科3年 髙﨑渓介)
第11回 開館、身にしみて 9月10日(木)
今回、企画展示に計画から設置まで参加してみて、その大変さを学ぶことが出来ました。 導入部担当の私は、来館者の方々へ企画展に興味を持っていただけるように、複合施設である図書館入口から博物館までの導入部分をディスプレイし、各種ポスターを作りました。企画展設営で一番苦労したのは、開館までの日数に余裕がなく、グループ内で練りあげるための時間調整をすることでした。夏休み中でもあり、準備期間とインターンシップが重なり、個々の予定がどうしても合わず、全員揃っての設営日がなく、作業連携が上手く取れず、結局、二度手間になった作業もありました。
例えば、急きょ導入部のディスプレイのイメージテーマが変わり、開催2日前の早朝から材料の買い付けに走り回り、ポスターを作成しなおし、他グループともその日の設営と展示状況をメール等で早朝5時まで連絡し合いながら、微調整を繰り返すことになりました。少ない時間に負担が集中したため、結果、私を含む何人かは寝不足でふらふらになっていました。微調整の作業は開館時間を過ぎても続け、午前中にはすべての設営を終えることが出来ました。バタバタしながらも無事に開催出来た時は緊張の糸が切れ、ホッとするなり、体の力が抜けていきました。
この展示で私が注目して欲しいところは、図書館前に設置したタイトル幕とポスター、特に博物館内にある「トリビア・パネル」です。「トリビア・パネル」はメイン展示担当者の一人が、私達と同世代の人々にも分かりやすく、面白さが伝わるようにと、パネルデザインも含めて、考え作り上げたものです。私的な意見ですが、出来上がりが素晴らしく、他の展示会場に設置されてもいいのではないかと思っています。本学会場へご来館の際は是非、ご覧ください。最後になりますが、今回の企画展設置、大変でした。普段自分が何気なく見てきた、他の博物館の企画展がどれだけ大変な過程を経て出来上がったものなのかを、身に染みて知りました。そのようにして完成した展示を皆様にご覧いただき、少しでも何かを感じて頂けたら幸いです。
(文学部日本文学科3年 柳田希望)
第12回 講演会で実感したこと 10月3日(土)
現在、大学博物館では山口県埋蔵文化財センター(以下埋文)主催による県内の発掘成果を紹介する速報展が行われています。ご覧いただけましたでしょうか。去る10月3日(土)、この展覧会の関連行事として、本学地域文化研究所との共催で講演会(第66回例会)を実施しました。「開発と埋蔵文化財保護のはざまで」と題したこの講演は、埋文事業課長の西岡義貴先生を講師としてお招きし、館長の渡辺先生との一部対談を交えて行いました。
特に文化財の普及事業に力を注いでいること、発掘調査は住民の方々による作業員としての協力が不可欠であること、現場では箸のような日用品を使い、工夫して発掘を行っていること等が語られ、埋文の業務と密接した講演内容になりました。
会場では開始30分前からすでに着座していらっしゃる方もおられ、質疑応答では積極的に質問が飛びかうなど、地域文化に対する住民の方の関心の高さがうかがえました。私にとっては発掘に至るまでの経緯や、現場の作業指導者の方のお話は大変貴重なものであり、興味深く伺いました。
講演会の第2部では会場を博物館へ移し、講師お二人による速報展の展示解説が行われました。来館者の方々が先生方を取り囲み、熱心に聞き入っておられました。
私は埋文が事業成果を、地域の方々に対して生涯学習という形で貢献するということは、大変有意義なことだと感じました。
(文学部 日本文学科3年 菊川 貴史)
第13回 撤収そして次なる展覧会へ 10月24日(土)
10月23日をもって巡回展『山口掘っちゃいました!』は無事に会期を終えました。思えば、学生同志の打合せが上手くいかず、作業が計画通りに中々進まず、悩む事が少なくなかった巡回展でしたが、こうして終了を迎えると少し寂しく感じます。
今日は巡回展の撤収作業。9時に集合した博学生9人は、遺跡の展示担当別に手分けして、作業を始めました。まずは、遺物の最終確認で、資料破損の有無等の点検をおこないました。借用資料の一覧表と1点ずつ撮影された写真をもとに、現状資料がどのような状態にあるのかを目視で確認しました。この作業の確認がしっかり出来れば、後の作業もスムーズになります。
続いては梱包作業に入りました。薄葉紙で遺物を一点ずつ梱包するところですが、所蔵側の梱包方法にならい、コンテナケースへ遺物を入れて、大小のクッション材で資料を固定するという方法で収納しました。これは次の巡回展会場への移動の際、万が一、遺物破損が見受けられた場合には、即刻確認、即対応できるようにとの、所蔵側のご配慮だと伺いました。そして、私たちはこの資料群を次の展示会場で荷解きされ、展示化される際に、すばやく資料確認が出来るようにと、搬出する側の配慮もまた必要であり、巡回展の実施館として大切なことなのだと学びました。
午後まで続いた撤収作業はようやく一段落、遅い昼食をとって皆ホッと一息しました。
今日の撤収から12日後には、第14回企画展『大人がなんじゃい!田村務彫刻展』が開催されます。私たちは再び企画展の設営作業に入ることになっています。次の企画展もまた学ぶことの多い、素晴らしいものにしていきたいと思っています。
(文学部 日本文学科3年 池永礼子)
第14回 巡回展を終えて、いま思うこと 1月30日(金)NEW!!
慌ただしかった巡回展も終了して3ヶ月。当時のことが客観的にみえて来ました。展示設営の作業は、私が考えていたより、スムーズにいかないものでした。当初、「数日間で作業がすぐに終わるのでは?」と思っていたのです。どこに何を展示して、どのように工夫してみようかと、事前に考えていなかったら、どれだけ無駄な時間が消費されたことだろうと思います。
そして、展示は一人で行うのではなく、チームで意見を合せ、形にしてゆく作業なので、スポーツ等と同様に、チームワークが一番大切なのだと実感しました。
私が担当した作業は、展示品の説明パネルをカッターで裁断、作製することでした。これまでカッターを使用することがほとんどなかったせいか、なかなか上手く、綺麗に切ることができず、手こずりました。次第に要領がつかめ、終盤には随分とうまくなりました。
展示設営にはさまざまな役割と作業がありますが、黙々と続けるパネル製作の作業は、私に向いているかも、と思えました。
他の実習生の作業風景を見て感じたことは、その人の性格や気質に合った分野の作業は、どれも能率、効率が上がり、最後の仕上げに至るまで、とてもよい作業内容になっていたことです。
この展示実習で得られた体験を、今後の様々な場面においても活かしていきたいと思っています。
(文学部 日本文学科3年 原園 有衣)
番外編 学芸員奮闘記 ―御礼に代えて― 1月30日(金)NEW2!!
この企画は思えば2年ほど前、渡辺一雄館長の「埋蔵文化財資料の巡回展を受入れを考えてもいい頃ですよね~」の一言から始まり、2009年にようやく実現した展覧会でした。学芸担当としては巡回という「パッケージ展示」を大学博物館からいかに発信できるのか。教育実習館の側面を合わせもつ「当館ならではの...」の点にしぼって計画しました。基本コンセプトは「学生(見る側・見せる側)を主体とする展示」。まずは「博物館実習Ⅱ」の授業と直結させ、学習課題には①「巡回展の受入館として考えるべきこと」②「他館資料を紹介するということ」③「博物館の今後を担う若者の一人である実習生として、今この巡回展で何ができるのか」の3点を提示。さらには実習生に「同世代の学生たちをターゲットにして、自ら来館をアピールできる巡回展する」という課題、もちろん、展示構成、ポスター制作、搬入、設営、講演会スタッフ、撤収、かかる作業すべてに従事することを課しました。
準備期間は十分になく、当世学生たちには苦手な意思疎通と調整力が必要になるグループワークという手段で実践させ、過酷で辛い状況に追い込み、悩ませたと思います。しかし、彼らはそれぞれの場面において見事に応えてくれました。
この巡回展は、「今回の展覧会は楽になるかも~」と一瞬でも甘い期待を抱いた、「怪しからん!」学芸員にも、彼らと喜怒哀楽を共有、完了できたことで、改めて「博物館とは何か」を学生たちによって気づかされ、考えさせられた大事な時間となりました。学生感謝!今後もビシバシいきますのでよろしくネ。
最後になりましたが、展覧会の会期中、御来館いただきました皆様、多大なるご協力を賜りました山口県埋蔵文化財センターの皆様、最後の最後まで辛抱強く見守り、時には適切な御指導、ご助言をくださった渡辺一雄館長に心より厚く御礼を申しあげ、今回の「第2回学生奮闘日誌」を終了させていただきます。長期間、閲覧くださいました皆様、また、次年度予定の第3回学生奮闘日誌にてお待ちいたしております。ありがとうございました。
(大学博物館学芸員 佐藤睦子)






















