「博学」連携!? 企画展・学生奮闘日誌



 梅光学院大学博物館が山口県埋蔵文化財センター主催の「埋蔵文化財公開普及事業」に参加して早4年目。
 今年も10月4日~27日を会期として、約20日間の展覧会
「<発掘された山口>山口県埋蔵文化財センター巡回展」を開催します。
 展示構成、設営など展覧会業務の一切を、博物館学課程の3年生が中心となって構築していきます。
 再び始まるこの第4弾・学生奮闘日誌の主役は、昨年と同様、刻々と実務を遂行し続ける博学実習生たちです。
 今回は「埋蔵文化財を展示するということ」を関係諸機関のご協力を頂きながら、一から学び、それを私たちがどのように展示構築できるのだろうか。そんな意識を大切にしながら進めていきます。
 大学生の奮闘記、いよいよ始まりです。彼らの肉声をご紹介します。
 学生たちが取り組みに過ごした時間の「かたち」と共に、展示をご覧頂けましたら幸いです。ぜひご来館ください。

 ※博物館学課程についてはこちらをご覧下さい。

 ※過去の奮闘日誌はこちら→  第1回奮闘日誌  第2回奮闘日誌  第3回奮闘日誌  

第4回日誌:「山口県埋蔵文化財センター巡回展」第3弾

第9回 山口県埋蔵文化財センター見学へ  6月8日(土) NEW!!

 山口大学に続いて二回目の見学実習先は、巡回展主催者の山口県埋蔵文化財センターでした。見学の目的は10月に控えた巡回展の展示設営のための 勉強で、パネルの内容や配置、展示の仕方などを主に学習しました。
 展示室では「第40回展示・掘っちょる山口--土器メント2010」の開催中で、限られた一室の空間に、田ノ浦遺跡、古大里遺跡、奥ノ坊遺跡、東禅寺・黒山遺跡、中ノ浜遺跡の5遺跡が展示され、より多くの出土資料を紹介することで来館者にその遺跡について知ってもらいたいという展示側のコンセプトが伝わってくるようでした。

        

 解説くださった西岡義貴先生のお話からは、各遺跡担当者による制作のため、展示全体の統一感のなさや、パネルの文字数・文字の大きさ等が不統一であること等、展示の問題点として挙げておられましたが、個人的には展示の資料点数が多く、僕にはわかりやすいパネル説明文だったと思います。

       

 また、今回の実習では普段見ることのできない土器の復元作業や鉄器・木製品の保存処理室の見学も合わせて、埋蔵文化財資料の材質別による様々な整理方法を知ることができました。西岡先生の丁寧でわかりやすい解説を伺い、とても感謝しています。今回学習した内容をパネル制作や展示設営の面で、巡回展に役立てていきたいと思います。
(文学部日本文学科3年 松川裕哉)

学芸員のひとりごと: 学生達は巡回展を主催する山口県埋蔵文化財センター(山口市)へは初めての訪問。緊張した学生達の雰囲気を察せられてか、始終柔和な笑顔でお迎えくださった西岡義貴先生。
 展示室では2012年度に巡回予定の資料群を前に、各遺跡の特色をはじめ、埋蔵文化財センターの役割とその情報公開について、様々な視点からのご丁寧な解説を頂きました。時間が経つにつれ、学生達は次第にこれまでの疑問を一気に解消するぞ...とばかり、気づくと西岡先生は質問ぜめ状態!!!
 そんな時でも始終柔和に淡々と一人一人の学生に応じてくださった西岡先生。ご教示、深く感謝申し上げます。
 特に今回は発掘から展示公開へ至るまでの整理時間において、最も手間暇かける鉄・木製遺物の保存処理を行う施設を見学することができ、また復元作業室では高度な知識と経験が裏付けとなる作業について担当者から直接お話を伺うなど、貴重な体験ばかりで学生達の表情が、みるみる変わっていく様子が受け取れました。
  梅光会場にやってくる展覧会は、大勢の関係者の意図と尽力によって、丁寧に構成された資料群。その思いごと、まるごと、私たちは、私たちの目線をもって、きちんとご紹介することができるのでしょうか。 ますますハードルが高くなっていくようです。
 必見! 山口県埋蔵文化財センタ―で展示中のジオラマ。防府市・上り熊遺跡の建物跡を参考に作製した「中世住居20分の一の手作り模型」。...スバラシイ!! 参考文献もきちんと明記。要確認です! ...この繊細さ、何をか語らん...。

 

第8回 山口県埋蔵文化財センター見学へ向けて  6月6日(月) NEW!!

 山口県埋蔵文化財センターの見学を明後日に控え、それぞれのグループに別れて図書館で考古学文献を調べたり、話し合いが行われました。担当する 遺跡に関する考古学文献、市史などを読み、担当遺跡のおおまかな歴史的背景について調べました。
 事前の勉強は大切。しっかりと先生のお話を聞き、 参考となる展示を見学しなければ!前回の山口大学埋蔵文化財資料館の見学体験を生かし、意欲的に質問したり、しっかりと展示を見ることで、10月 開催の巡回展の設営に向けて、少しずつ形が見えてくればと思います。
 また、本学博物館展示室では、図書館との連携展示『梅光学院大学図書館・梅光 学院大学博物館蔵貴重資料展~キリスト教関連資料を中心に~』が開催中で、展覧会の実際として見学しました。

     

 出品資料には、梅光学院大学が所蔵す るキリスト教に関連した資料群のうち、装飾福音書『ケルズの書』の復刻図書や『死海写本』が紹介され、「磯田光一記念文庫」からは磯田先生が収書 した三島由紀夫、大岡昇平のサイン本等を含む貴重な蔵書が展示されています。
 展示は6月11日まで。是非ご来館ください。
(文学部英語英文学科3年 谷本企救江)
学芸員のひとりごと: 博物館展示室では学院創立140周年企画「図書館・博物館蔵貴重資料展~キリスト教資料を中心に~」と題した展覧会を開催中。展覧会を構築するには出品資料の学習は元より、会場の展示空間を意識的に捉えて、導入部からの動線をいかにイメージするか、ミュージアムトークを通して何をどのように伝えればよいのか?
  実習生には活きた教材として、開催中の展覧会から、その実際例を学び、具体的に考えるきっかけにしてもらおうと、図書館所蔵資料部門のミュージアムトークとして、司書長・永見昌代さんに展示解説をお願いしました。
 実習生みな、真剣そのもの...。出品された図書資料群の全体的な趣旨説明に始まり、各資料の時代背景とその特色など、資料の奥深さを熱心に語る司書の話術に触れ、次第に理解していくことの面白さに気づいた様子。展覧会におけるミュージアム・トークが来館者へ果たす役割を実感できたのでは...。学生達、明日は我が身。さあ、もう一歩進もう!

第7回 巡回する遺跡の出品資料を調べる (1)  5月30日(月)

 今回の授業では、まずは2日前に行った山口大学埋蔵文化財資料館見学の報告会。展示中の「柱のレプリカ」が以前、真贋比べる展示企画コーナーで紹介した時、「本物と見間違えた」との由縁を持つレプリカの話や「見学時間が短かった」「接合・復元途中の土器の様子が見ることができて楽しかった」等の感想を出し合った。
 後日、資料館の先生方から、私達博学生の見学態度に対する印象が伝えられ、2回目の見学では2年生も参加したので、「3年生、2年生、それぞれの学年の特色がよくわかりますね。とても熱心に見学する様子が印象的で感心しました」という内容で、特に悪い印象ではなく、無難な印象だったようで安心しました。
 次に、巡回展に関わる作業を行った。以前遺跡別で決めておいた4つのグループに分かれて、各遺跡から出品される資料はどんな物が来るのか、一点一点を報告書で確認、各グループで今後進める作業内容を話し合いました。とはいえ遺跡報告書の見方すら怪しい私達。そんな状態からのスタートですが、山口県史や市史、その他報告書の文献資料を使いながら、巡回展の展示構築に向けてこれからがんばっていきます\(^-^)/
(文学部日本文学科3年 高山宗太郎)
学芸員のひとりごと: 巡回展構築のための学習第一歩は、大学教育機関が管轄する埋蔵文化財事業の実際を意識的に見ること。考古資料を一般公開する意味とその役割を学習した上は、梅光会場で紹介する5遺跡の特色、資料の学術的意味も合わせて一つ一つ勉強を積み重ねる作業が始まります。
 先ずは山口県埋蔵文化財センターの出版物・発掘調査報告書や展覧会配布資料、展示で取り上げる遺跡周辺の歴史的環境を把握するため、県史・市史といった地誌を編纂した図書文献に目を通すこと。一つの疑問が次なる疑問へ。そんな問答を繰り返しながら一つ一つ構築していくプロセスそのものが、実習生として実感できる醍醐味のはず。ガンバレ!

第6回 待ちに待った吉田遺跡見学!  5月28日(土)

 今日は待ちに待った2回目の山口大学吉田遺跡の見学日。今回は他授業のため前回参加できなかった3年生2名と、自主的に参加を希望した2年生2名との合同見学になりました。
 移動中の車窓からは吉田遺跡周辺を遺跡分布地図と見比べ、遺跡が河川近くに密集していることを確認し、昔からこの地が人々にとって住みやすかったということを示しているように思えました。
 山口大学では、横山先生から山口大学埋蔵文化資料館の沿革や目的、今回の企画展『資料に刻まれた記憶~文字、記号、印から読み解く~』のコンセプトを伺い、松浦先生からは考古展示資料やパネルの解説を伺いました。
 見学前の事前学習の際にも話題にのぼりましたが、この企画展のパネルは先生方ではなく、学生が作成したパネルだということでした。確かにパネルに書かれた言葉遣いからは学生らしい親しみやすさや雰囲気を感じ取ることができました。一枚のパネルの中にやや多めに感じた字数ではあったものの無駄な情報は書かれておらず、写真や図説も載っていたので読むことは苦になりませんでした。この様に見やすく内容を理解されやすいパネルを自分達の展示の際にも作れるようにしっかりと参考にしたいと思います。
 第1回目の見学に参加した人達は、実際に発掘作業を行うという非常に貴重な体験をさせていただいたそうですが、今回は連日の雨により作業は中止で、現場の方には完全に立ち寄れませんでした。
 その代わりに、前回の人達には見せていなかった「実測前の資料」を見せて頂きました。これは工事中に 掘り起こされた甕や高坏、畿内系の土器を模したもの等の破片があり、今後まだ破片が発見される可能性があるということから、復元作業や実測図にはとらずに保管しているとのことでした。

       

 出土した遺物は洗浄した後、出土年月日や遺跡名等を小さく書いて保存し、他から出土資料した遺物と同一個体かどうか確認。これ以上発見されないと判断してから、ようやく実測を採るという過程を伺い、発掘後の作業の方が遥かに時間がかかるということがよく分かりました。(文学部日本文学科3年 楽満咲希)

<参加学生のひとこと>
事前学習の一つとして、山口大学埋蔵文化財資料館のホームページを閲覧。資料館の館蔵資料である美濃ヶ浜遺跡出土の製塩土器を、図書館に設置さ れた展示ケースで紹介され、その風景をリアルタイムでネット配信するという試みが行われていて、このことに面白く興味を持っていました。せっかくの機会だったので、資料館の見学後、図書館にある展示ケースの方も見学したかった。今も製塩土器が展示されているのだろうか。(※終了したそうです。)一緒にあったプラモデルとの見比べをしてみたかった。(文学部日本文学科3年 高山宗太郎)

       

資料館の展示は、狭い空間の中でパネルを活用して分かり易く、しかもスッキリと構成された内容でした。特に意欲ごと伝わってくるような考古学専 攻生が作成したパネルには目が留まり、とても印象に残っています。私は横山先生に館内で使う照明について質問してみました。展示資料によって使用する照明のタイプや、光の当て方、配置等が異なることを教えてくださいました。資料をより効果的に見ていただくために、来館者側の目を意識した照 明方法を取り入れる工夫が大事だとも感じました。当日は雨天のため、吉田遺跡の発掘作業は叶いませんでしたが、出土した資料をどのように整理をしているのか、整理後の遺物コンテナを前に、丁寧にレクチャーしてくださり、出土資料が展示に至るまでの過程を垣間見ることができました。そして遺跡保存公園では弥生時代の住居跡が保存されており、炉があった場所を見ていると、当時の人々は炉を囲みながらどのような生活をしていたのだろう... と、そんな想像が頭を巡りました。(文学部日本文学科2年 脇沙織)

       

生憎の雨で、当初予定した発掘調査に参加することは出来ませんでしたが、資料館展示では、蔵書印や土師器に書かれた記号の謎についてじっくり見ながら、当時の人々が何故記号を付けたり、蔵書印を押したのかなど、横山先生と松浦先生から詳しい説明を伺ってよく理解できました。私は資料館と 図書館の資料を通して、二館がテーマに合わせて繋がることの面白さと大切さを知ることができて良かったと思いました。特に展示室内にあるスチュワーデス姿のマネキンが気になり、その用途を質問してみました。私がよく利用する公共図書館のカウンターや図書周辺にはクマのぬいぐるみが置かれ、それと同様にこのマネキンも資料館には多世代の人々が来館されるので親しみをもってもらうためのキャラクターかと思っていました。横山先生に よると、一見して分かりづらい考古資料を少しでも理解してもらえるように、イメージを生み出す装置でもあるそうです。今回は近世以降の図書資料から、時をさかのぼり、考古資料へとつなぐ「順路」、旅の導き役をイメージしたもののようでした。一人で佇み、私達に次の順路を教えてくれる彼女は 私には何だか可愛く見えました。今日は博学一日体験として、実際に遺跡地を訪ね、遺物を見学して、質問する機会も得られた山口大学埋蔵文化財資料 館での全てのことが、私にとって新鮮でした。また機会があったら、違った展示をみて、沢山のことを学びたい。(文学部日本文学科2年 白石悠花)

 
学芸員のひとりごと:  2回目の見学は雨時々曇り。2年生は颯爽と発掘スタイルで参加してくれたものの、遺跡調査は雨天で中止。これも作業状況や現在の出土状態を保持するための措置。発掘は断念...残念だけれども一方では、室内作業の醍醐味を知る絶好の機会。遺跡から出土した資料は「洗浄→ネーミング→接合・復元→実測→報告書作成」の工程を経てようやく「展示資料」になります。
 山口大学・横山先生と緊張した面持ちの学生達は、遺物コンテナを取り囲んでのミュージアム・トークへ。遺物1点1点の解説から始まり、「洗浄→接合」に至る過程の話へ。一般に私たちが博物館で目にする展示資料の多くは、整理、調査研究の対象として時間をかけ検証された資料が主として紹介されています。学生達は資料が展示されるまでの、「時間」が意味する博物館資料とは何か、かかわる学芸員に課せられたものは何か、「埋蔵文化財資料」を通して、じっくりと考える機会を与えられたのではないでしょうか。

 2日間見学を通して...  見学内容は天候に左右されて別メニューになった2日間でしたが、学生達の感想や提出レポートを一読する限りにおいては、各自実りある見学体験になったようで、正直ホッとしています。これも企画展の会期中かつ連日雨天で発掘調査が難航した時期とも並行した多忙極まるなか、貴重な時間を費やし、見学当日以外にも、事前学習の様々な場面において数々のご教示、ご配慮をいただきました山口大学埋蔵文化財資料館の皆様のおかげと心より厚く御礼申し上げます。
 特に学生達の質問に対し親身になり、極めて真摯にご対応くださいました横山成己先生、松浦暢昌先生には深く感謝申しあげます。10月巡回展には貴館での学習を学生達がどのように受け止め、それを形作ることができたのか、ぜひご来館くださり、見届けていただければと思っています。
 これは学生へのプレッシャー...いえいえ、学生指導する学芸員自身に与えた自らのプレッシャーともいうべきか...。

第5回 山口大学・吉田遺跡の見学反省会 5月23日(月)

 今日は18日(水)に見学した山口大学・吉田遺跡にかんする埋蔵文化財関連施設の見学反省会と、山口県埋蔵文化財センター巡回展の展示構築をするために、参考とする見学館の候補地を絞りました。
 吉田遺跡見学では、皆それぞれの感想として、実際の遺跡調査内で土を掘らせていただいたことが 印象に残っているようでした。
 私の中でそれと同じ位印象に残ったことは、開発などに伴い、やむを得ず記録保存し、遺跡が壊れてしまうことを当然のようにいつのまにか感じてしまう、という山口大学で発掘調査を担当しておられる横山先生の言葉でした。そもそもこれは必要なのか、なんとか壊れないようにする方法はないか、遺跡が壊れないように動くことがどれだけ大切なことかを学んだように思います。
 また、見学館の選定は、現在開催中の「宇部市ときわミュージアム」をはじめ、「山陽小野田市歴史民俗博物館」、「美祢市歴史民俗博物館」の中から、日程を調整して、何れかの博物館を訪問することになりました。そこでは巡回展の展示がどのように行われているか、その具体例の実際を見学することになります。
 訪問日は全員の予定がなく、調整できる7月の土曜日が今のところ候補として上がっています。それまでに、配られた巡回展で紹介する遺跡の資料を参考にして、梅光での展覧会をどのようにやっていけばいいかを少しでも具体的にイメージ出来るようになっておけたら...と思います。
(文学部日 本文学科3年藤井聡美)
 
学芸員のひとりごと:今日の授業は反省会というより、学習内容を記憶にとどめ置くための反芻する時間。遺跡破壊のこと。先生のことば通り、より素直でしなやかに受け止めてくれていたようです。引率者としては嬉しいかぎり。発掘現場の滞在時間としては20分程度。にもかかわらず、現場で淡々と語られた埋蔵文化財の保護の観点やそれに従事する者が抱えた矛盾と葛藤、様々な事柄を聞き入る学生達の真剣なまなざしはとても印象的でした。
 生まれて初めての鍬入れが 吉田遺跡となった幸運な博学生達は、一つ一つ、埋蔵文化財を展示していく「心構え」と「恐れ」とを交互に噛みしめながら前進していきます。18日に他授業 の都合で参加できなかった博学生は、28日(土)に山口大学入りする予定です。10日後の発掘状況を見学してきます。
 さて、山口県埋蔵文化財センター巡回展は5月末現在、2会場目。6会場目が下関会場となる当館です。今後は少しずつ学生達が展示担当する遺跡そのものの学習を速やかに進めていくことになります。そして次なる事前学習のための見学先は、巡回展の企画事業を推進する「山口県埋蔵文化財センター」です。再び見学にむけた 事前勉強会が始まります。

第4回 山口大学・吉田遺跡を掘る! 5月18日(火)

 今日は山口大学吉田キャンパス内にある「吉田遺跡」の見学に行きました。僕たちは山口大学の横山先生と松浦先生に様々な角度から遺跡解説をしていただき、その都度、ご指導を受けながら、埋蔵文化財資料館、発掘現場、遺跡保存公園の三か所を巡りました。

   
 埋蔵文化財資料館は展示施設としては小規模ながらも、今回の企画展は大学図書館や学生との連携を行い、しっかりとした説明パネルで資料の重みを感じることができました。次に資料館の東側を歩いて2・3分のところにある発掘現場へ移動し、実際に僕たちは遺跡を掘る機会をいただきました。鍬を握り、間近で土色や土層壁を見ることもでき、とてもいい体験になりました。

   
 最後の遺跡保存公園は弥生時代の住居跡の保存の仕方や保存環境の考え方を知る上で、興味深い場所でした。やはり遺跡は机上ではなく、実際の現場に行き、説明を受けたり、体験したりすることで、埋蔵文化財の出土資料に対する見方も大きく変わるように思います。ただ時間の関係もあって急ぎ足で巡り、ドタバタしていたような気がしてなりませんが...。
 今日の見学は僕たちにとって各々得たものは大きかったと思います。
日本文学科3年 長谷川啓太

   
<参加学生のひとこと>
資料館では図書館との連携企画で、学生のパネルは謎解きなどわかりやすく、パネルを作った学生の遺物への関心も感じる事ができました。遺跡を掘るという貴重な体験もでき、解説も丁寧にしていただいて、横山先生、松浦先生ありがとうございました!!(谷本)
資料館で墨書土器の質問に対して横山先生から詳しく教えて頂くことが出来て、とても勉強になりました。実際に発掘をすることができて、いい経験になったと思います。(小田﨑)
展示室が思ったよりも狭く感じたのですが、テーマを踏まえた質の良い展示をされていたように思いました。鍬を手にして発掘体験をさせていただき、土の色をみる、ということがどういうことなのかが、何となくわかりました。(甲斐)
発掘作業に参加したり、保存公園の見学など、貴重な体験をすることができました。(松川)
学生が作成したパネルを見てより分かりやすく、より興味を持って貰えるパネルとは、どんなものを作ればいいのだろうと考えるきっかけとなり ました。巡回展で、そのようなパネルが作れるように頑張りたいです。(藤井)

   
 
学芸員のひとりごと:当日晴天。資料館前に9時50分到着。発掘調査の現場監督の役目を一時中断して、博学生を迎えてくださった山口大学埋蔵文化財資料館・横山成己先生。その発掘スタイルに皆一瞬クギづけ...。昨年「交流展」ミュージアム・トークでの「古代衣装」の雰囲気とうって変わり...あえて申しますと同一人物。
 余談はさておき、到着以降の約90分間はまさに濃縮ジュースのような学習内容。山口大学吉田キャンパスは 旧石器時代から近世まで人の暮らしが存続した複合遺跡に立地する稀有な場所。先生の講話は昭和40年代から山口大学が埋蔵文化財事業に着手した 「事始め」に始まり、館内では埋蔵文化財の専門施設としての学術研究を意識しながらも、一方では他分野の教育連携を推進する企画展の開催について熱く語り、個別資料の説明、解説も流暢に語り終えると即、質問タイム。
 「どんな質問でも受けますよ」と。学生、瞬時に硬直状態。ですが、授業2コマの分の学習成果をボチボチ発揮。予想以上の在館時間に。急ぎ発掘現場へ。「発掘調査は<記録保存>が前提ですが、発掘とは遺跡を破壊することだということを常に心に止めなければならない」。この言葉の重み、学生達は解ってくれたかなぁ。
  で、鍬を持ったことすらない学生に、横山先生、いきなり鍬を手渡し、中・近世の遺物が混入する包含層を掘らせるなど、学芸員の内心「この先生の度胸は狂気の沙汰かしら」とあ然とした次第。もちろん学生達は「狂喜」。先生曰く「発掘を始めた18歳の頃は土運びばかりで、掘るのは10年早いと言われたもの...」だから「掘らせたい」と。この大学教育者のまごころ、学生達に伝わっただろうか。
 山口大学への訪問は、昨年の「交流展」行事の完結編として、また埋蔵文化財の展覧会を着手するための学習授業の一環として、山口大学埋蔵文化財資料館のご理解とご協力をもって第1回目の訪問を終了することができました。今回、学芸員も一学徒として、他学の教育姿勢を身をもって感じ、知的刺激を大いに受けた気がしています。ありがとうございました。

第3回 山口大学「吉田遺跡」発掘調査の見学 <事前勉強編②>  5月16日(月)

 18日に迫った山口大学吉田キャンパス内の発掘調査見学に向けて、2回目の事前勉強会。授業では今回見学する発掘現場の正式名称が、「吉田遺跡 (特高受変電設備棟新営に伴う本発掘調査)」であること、その調査地区の面積や、参考になる遺跡が「神郷大塚遺跡」であることを知りました。
 そして、3つの見学場所で見るべきポイントや注意点をノートに必死にメモ!
 たとえば、
 資料館では、現在の企画展「資料に刻まれた記憶」に出展中という墨書土器、柱、木簡のこと、作成された説明パネルや施設の構造などを見ること。
 発掘現場では土色の確認や遺跡内の遺物や目印、発掘道具に気をつけて歩くこと。
 また、出土遺物はどのように整理しているのか、姫山・今山はどの方角から見えるのか、川の方向、他の遺跡との関連といった環境も合わせてみるということ。
 そして、キャンパス内にある「遺跡保存公園」では、活用法や広さ、どのような印象をもつのか、ということでした。
 こうした視点はレポートを書く上でも必要なポイントですが、見学を重ねて自然と気づけるようになれば、私たちが目指す巡回展構築や「学芸員」へと近づくための基礎力もついてきている、ということなのだと思います。
 さて、いよいよ2日後に迫った山口大学「吉田遺跡」見学!どのような見学ができるのか、そして私たちが学んだ成果として何をもって帰れるのか・・・。楽しみです ね(^^*)
(日本文学科3年 甲斐歩実)

学芸員のひとりごと:吉田遺跡の見学には4月中旬から山口大学埋蔵文化財資料館との事前調整を行い、雨天時も考慮しつつ、実際の遺跡見学コースが確定したのはこの16 日。
「資料館」→「発掘現場」→「遺跡保存公園」の3ヶ所を巡ります。フィールドワークを実施するには、訪問先の地理的自然環境やその歴史的背景を学習し、理解することが何よりも大切です。その点は「遺跡報告書」や『山口県史』などの文献を熟読。現地では地図を片手に遺跡位置の確認も必要です。
 特に今回は学習効果をいっそう高めるためにと、山口大学の横山成己先生からも「隣接する<神郷大塚遺跡>は<吉田遺跡>と弥生時代、古代においてリンクする遺跡なので学習しておくと理解が深まりますよ」と事前に博学生達への学習メッセージもいただきました。
 18日は発掘中の遺跡現場も訪問予定。遺跡を壊さないように、発掘従事者のみなさんの邪魔にならないように...。そして、吉田遺跡を少しでも体感できるように。
 

第2回 山口大学「吉田遺跡」発掘調査の見学 <事前勉強編①>  5月9日(月)

 今回の授業では、5月18日に行く山口大学吉田キャンパス内の発掘調査見学へ向けての勉強会をおこなました。
  図録『学内発掘の歩み』と『季刊・ てらこや埋文』という資料を読み、それぞれ感じた疑問点 や、見学するにあたって何に注目したいかなどの意見を発表しました。
 発表の中で、みんなが共通して注目する点としては、「遺物や遺構がどのよう状態で 発掘されるのか」、「実際に見たい」ということなどがありました。
 また、「土器などの遺物から、年代などの情報はどう引き出していくのか」「発掘された 遺物はどのように整理していくのか」など、色々な疑問を出し合い、その疑問の中から、発掘調査について事前に知っておくべき知識など、先生から教えていただき、発掘調査見学に向けて準備しました。
 今回の勉強会で、少しでも発掘調査見学が私達にとって満足のいくものになればいいと思います。そして 見学で学んだことや感じたことが、今回の巡回展に反映していくことができるように頑張ります。なので、雨天で発掘の見学ができなくなってしまわな いように5月18日が晴れであることを祈ります。
(文学部日本文学科 3年 小田崎春香)
学芸員のひとりごと: 山口大学埋蔵文化財資料館との教育連携 <その1>です。
 昨年、大学博物館連携「交流展」でお世話になった、山口大学埋蔵文化財資料館。当時、会期中の関連行事として、現地の吉田遺跡見学も提案されながら、実現できなかったという経緯もあって、今回は考古学の巡回展を進める上での学習会として、2回実施する運びになりました。
 学習テーマは「大学が管轄する埋蔵文化財事業の実際」。学生の事前学習のテキストには「年報」「図録」「通信」を使用。特に季刊「てらこや埋文」(1号~21号)。「喫茶まいぶん」「資料館この1品」「埋蔵文化財のお仕事」など、考古学専攻以外の学生にも「読ませる記事」が満載。考古学をより親しみやすく、わかりやすく、学術の質は落とさない!!という、館側の意欲的な姿勢がよくよく伝わるものです。学生達のレポートからも好印象をもったことが伺えます。

第1回 昨年よりも、もっといいものを!!  5月2日(月)

 本日から10月4日開催の「山口県埋蔵文化財センター巡回展」に向けた準備が始まりました。
 昨年、先輩方が夏休みに行った巡回展を見学しましたが、短期間で準備したにも関わらず工夫をこらし、クオリティの高い展示だったことを覚えています。例えば「三見ほうろく遺跡」の説明パネルでは、江戸期の古地図から遺跡の位置図を示した拡大図を作成するなど、自分たちでより良いものを作り上げていました。さらに、ミュージアム・トークでの展示説明もきっちりとしていて本当に驚きました。私たちは、先輩たちと比べてまだ時間に余裕がありますが、のんびり出来るわけでもありません。
 今日の授業では、朝田墳墓群・田ノ浦遺跡・椿遺跡・上り熊遺跡の各遺跡別に担当を決めました。ポスター作りや展示内容の考察など、これからまだまだやることは山積みです。先輩たちの展示よりもさらに素晴らしいものを作れるように、みんなと協力していきたいと思います。
                                (日本文学科3年 松川裕哉)

学芸員のひとりごと:学生8名で4遺跡の巡回展を構築します...大丈夫だろうか。10月オープンまで約5か月。今回はもっと欲張って、基本の「き」に徹した展覧会構築 を目指します。
 「実践的にやりたい!!」と授業初日に堂々と公言した8名です。ご要望にお応えして、学芸員はよりハードな計画をご用意しました。 まずは埋蔵文化財にかかわる諸機関の日常的な業務とその活動に「とびこんで!!」学習します。もちろん、事前事後学習は当然!! さあ~最初はどこからかな? お楽しみに。

参考:第3回日誌「山口県埋蔵文化財センター巡回発掘速報展」第2弾

番外編 学芸員奮闘記 ―御礼に代えて― 9月24日(金)

 大学博物館の「学生達と共に創る展覧会」を意識した「山口県埋蔵文化財センター巡回発掘速報展」第二弾は、滞りなく会期終了。展示資料は次会場 「防府市文化財郷土資料館」へ無事搬出、防府市における新たな視点の巡回展が始まっています。
 本学の第2弾巡回展は、昨年と同様、「博物館実習Ⅱ」の授業と直結。基本コンセプトも「学生(見る側・見せる側)を主体とする展示」を前提に、学習課題や展覧会業務(展示構成、ポスター制作、広報(HP)、搬入、設営、講演会スタッフ、撤収)、かかる作業すべてを学生達に課す形で実施。
 今年はさらに拍車をかけ、新規パネルとリーフレットの作製、担当者自身によるミュージアムトーク(2回)も強制的に課し、この数ヵ月間は「酷薄学芸員、ここにあり!」とばかりの問答無用、学生の胸中を察しつつも自問自答で推し進めました。
 終了後、学生自身にとっての実習成果はどうだったのだろうか...学生の感想やレポートの中に昨年にはない、気づきを発見しました。

① 巡回展は学内実習という枠であっても、山陽小野田市歴史民俗資料館、山口県文書館、山口県埋蔵文化財センターなど、他館の基本姿勢をしっかりと学べる機会があったということ。
② 博物館スタッフとして、来館者視線を考え、「来館者のための知的サービス」とは、何を意味するのか。インターンシップで来館した中学生の質問から、新たなキャプションや解説を追加した経験から学ぶことができたということ。
③ ポスターや展示デザインは、専門家が躊躇するほどの斬新さと柔軟さは、学生の底力ならではだということ。専門知識の弱さゆえの試行錯誤も、一般者や博学下 級生に向けたミュージアムトークでの解説も、学生達の今後につながる果敢なる一歩になったということ。
④ 卒業生を含む博学生同志の展示助言、意見、協力が得られ、博学生のタテのつながりが持てたということ。
⑤ 展覧会の開催には底知れぬエネルギーが必要であり、学生自身の精神的限界と闘う、格好の場にもなったということ。

 以上5点に通有するものは、「問うことは問われるということ」、「気づかされることに気づくこと」であり、この言葉は、博物館実務として「創る」途上を、ことごとく、そして、否応なく共有してきた学生達と、学芸員との「切なる実感」であったと思っています。
  最後になりましたが、御来館いただきました皆様、多大なるご協力を賜りました山口県埋蔵文化財センター、山陽小野田市歴史民俗資料館、山口県文書館の皆様、適切な指導と助言をくださいました渡辺一雄館長、そして奮闘日誌の連載が萎えそうになると叱咤激励をつづけ、最後まで支えてくださった本学事務職員の池上貴子氏に、心より厚く御礼を申しあげ、「第3回学生奮闘日誌」を終了いたします。
  次年度の第4回学生奮闘日誌もどうぞご期待ください。ありがとうございました。
                      (大学博物館学芸員 佐藤睦子)

第21回 巡回展終了...そして撤収へ  9月9日(木)

 8月31日。梅光学院大学博物館での山口県埋蔵文化財センター巡回速報展「歴史のあしあと2010」 の会期が終了しました。一ヵ月に満たない短い期間だったものの、たくさんの人に足を運んでいただきました。苦労して作り上げた企画展だったの で喜びもひとしおです。本当にありがとうございました。
 翌日、9月1日。撤収作業が始まりました。搬入の際は受け取る立場だったのですが、今度はこちらが受け渡す立場。損傷はないか、資料のリスト に漏れているものはないか、パネルの数は合っているか、と一つ一つの作業を慎重に行ないました。緊張する作業でしたが、埋蔵文化財センターの 方が来てくださったので、スムーズに進めることができました。
 今回、この企画展の取り組みで一人ひとりが多くのことを学び、考えました。それは博物館学におけることだけではないはずです。その経験がきっ と今後いろんなところで生きてくると思います。また、反省点や見えてきたことも来年の企画展実習に生かされて、毎年よりよいものになっていくといいなと思います。
                     (文学部日本文学科3年Bクラス 日高友美)
                        
学芸員よりコメント:会期終了。...感慨無量。翌日の撤収作業は、博学生による2日間をかけての作業予定でしたが、今回、山口県埋蔵文化財センター 文化財専門員の岩崎仁志先生と遺物の整理修復担当スタッフ2名方々がご来館くださり、あっという間の午前中終了。学生達も埋文スタッフの方々 から直接指導をうけながらの撤収。貴重かつ有意義な時間になりました。ありがとうございました。

第20回 第2回ミュージアムトーク! 高校生の皆さんを前に語りました! 8月28日(土)

長谷遺跡は、トップバッターという事もあり、私は始まる前からとても緊張していたので、本番は失敗しないかと不安でした。今日は、多く の高校生や一般の方 々が来てくださっていたので、後ろの方まで聞こえるように、下を向かず、大きな声ではっきりと話す事を心掛けました。解説中は必死 でしたが、何とか無事に終わりほっとしています。
                         (文学部日本文学科3年 日高千晶)

私は 東禅寺・黒山遺跡のミュージアムトークを2回行いました。普段何気なく聞いていた説明を、自分自身でするということが、こんなに大変だと は思いませんでした。
 初回では、思ってもみないような質問が出てあたふたしたり、手元にある資料ばかりを見て顔があげられなかったり、間違った説明をしてし まったりなど、本当に情けない結果になってしまいました。2度目は、初回の反省を生かし臨みましたが、急遽、他の班と同時進行でミュージ アムトークを行うことになり、不測の事態に対する備えがなかったため、慌しく雑な説明になってしまったように思います。ですが、自分自身 いろいろと振り返ってみると、今回の経験は本当に私の糧になったと思います。失敗ばかりでしたが、ミュージアムトークを通して学んだこと は無駄にはならないし、今後の学生生活にも生かしていけると思います。
                         (文学部日本文学科3年 薗田佳代)
学芸員よりコメント:狭い展示室は、大勢の高校生や一般の方々であふれ、緊張感に押しつぶされそうな雰囲気にあって、担当者5人は力強く、そして 一所懸命に語る姿が印象的でした。
 当日は大学オープンキャンパスを兼ねての開催だったため、渡辺館長による巡回展全体の特色と、本展と 学生たちとの実習教育にかんしての説明もおこなわれました。一遺跡一人5分。時間の都合で中断した、不完全燃焼ぎみの実習生1名は終了後、博学卒業生を相手に語る...語る語る...。たくましい博学生に圧倒されたわたくしでした。

第19回 発掘のご担当者による特別講演会!  8月27日(金)

 「三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋跡」(萩市)の発掘調査を行った谷口哲一先生の講演会が開かれました。今回の展示会で「三見ほうろ く窯跡・ほうろく茶屋跡」を担当した私は、この遺跡を報告書等で調べていたこともあり、より詳しく学べることに、とてもワクワクしながら出席しました。先生の講話から、 発掘現場の詳細・遺物の使用方法・遺物の特徴など報告書には記載されていない事柄を今回の講演会で学ぶことができたので、より遺跡に関心を持ちました。
 お話を伺って最も印象に残ったことは、この「三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋跡」からは「鉄砲玉」が発掘されているという点でした。報告 書で知った時 に「なぜ、このような場所から発掘されたのだろうか?」という疑問を抱きました。谷口先生のお話によると「狩猟の時に使用されたのだろう」ということでし た。このように遺跡の詳細を学ぶことにより、より当時の人の生活が想像できるので、とても興味深く思いました。私の頭の中の 「三見ほうろく遺跡」が、また色濃くなりました。
                       (文学 部日本文学科3年 木谷綾乃)

学芸員よりコメント:発掘担当者ならではのトーク。講話の拝聴後、展示会場へ移動。不思議なほど、展示された1枚1枚の遺構写真や遺物たちが 私たちに語りかけてくるような空間へと様変わり。モノから学び、人や文献によって新たに気づかされ、再びモノへと戻っていく...この淡々と した繰り返しが博物館の日常です。山口県埋蔵文化財センター文化財専門員の谷口哲一先生、さまざまなご教示をたまわり、ありがとうござい ました。

第18回 初挑戦 ! ミュージアムトーク  8月12日(月)

 博学履修生による第1回目のミュージアムトークが行われました。私が担当した「長谷遺跡」はトップバッターでした。初めてのミュージアムトークは緊張で、いろいろと準備しておいたセリフが飛んでしまい、あたふたしましたが、今まで学んだことを思い出しながら話すことができました。

 また、会場からの質問が起こり、中には自分も以前、同じ疑問を持った内容もあり、先生の事前指導のおかげで、説明することが出来ました。ただ、上手く出来ないことの方が多く、伝えることの難しさを痛感しました。
 第1回目のミュージアムトークでは、私は説明する難しさを実感したと同時に、質問を受けたことで新たな発見もありました。次回のミュージアムトークは是非この点を活かしたいと思いました。
                        (文学部 日本文学科3年 木村寿子)
※当日の模様はBGUトピックスで報告しています。詳しくはこちら
学芸員よりコメント:この日は満員御礼。ミュージアムトークの担当学生たちは緊張度も増す一方だったと思います。一人当たり、持ち時間5分で、「遺跡概要と担当者がこれだけは伝えたいことをきちんと語る」こと。意外と難しいんですよね、これが...。慣れも必要なのね。実習中にはちっとも見せない、この初々しい表情が、わたくしには印象的。第2回も頑張れ!!

第17回 祝! 巡回展のオープン!!   8月2日(月)

 本日、山口県埋蔵文化財センター巡回速報展「歴史のあしあと2010」のオープンです。学生それぞれが遺跡を受け持って勉強し、展示構成を練り、何とかこの日を迎えることが出来ました。
 展示室以外にも、親しんでいただけるための導入部として、博物館の入口周辺には、これまでの私たちの学習風景や展示過程を「博学生のあしあと」として紹介するコーナーを設営しました。
 また、ちょっとした趣向ですが、ポスターやチラシのマスコット的な扱いで紹介されている、展示品の一つ「足鍋」が、博物館へ導いていく...といった装飾もプラスしてみました。多くの方に興味を持っていただけるとよいのですが...。
 会期中、学生によるミュージアムトークも行いますので、ぜひ一度足を運んでいただければと思います。
                       (文学部 日本文学科4年 中嶋あやの)

学芸員よりコメント:開催です。学生たちの反応がやけに面白い!! 「これ(この展覧会)、私たちが作ったんですよね...」ホヤっと、ニタっと笑う。一様に照れながら、満たされた表情です。こんな表情になる学生だったのか...と改めて気づかされます。
 完成した直後一瞬の幸福感は、展示と自分自身との、気持ちの距離と温度差で変わります。そして、来館者をお迎えすると同時に、また新たな緊張感がスタートするのです。

第16回 各セクション設営完了!  7月31日(土)

 今回の実習は前回に引き続き、博物館内にて行いました。私の担当は朝田墳墓群なのですが、少ない人員(私を含めて二人)であれだけの資料とパネルをよくぞこの状態まで持ってくることができたものだと我ながら満足感に浸っているところです。
 そうはいっても、まだまだ安心はできません。パネルの位置や内容、わかりやすい解説ができているかどうかなど、不安は多々あります。これは私だけでなく他の遺跡班も同じだと思います。
 そして、一番の不安といえば、学芸員として避けては通ることのできない『ミュージアムトーク』です。設営の最終確認が終わった後、仲間内で練習をしたのですが、皆人前で話すことに慣れていないため、なかなかうまくいきませんでした。ただ原稿を読むだけではつまらないし、かといってある程度の解説はしなければならない。
「聞いていて退屈にならずかつ、飽きさせずかつ、わかりやすい」トークが理想なのですが・・・ということで、トークの時間と内容の調整が今後の課題になりそうです。こ
 のように、不安の種は尽きませんが、各遺跡の魅力を少しでも来館者に伝えたいという一心で、博物館学課程履修者一同頑張っていく所存です。
                               (大学院生 末永亜美)

学芸員よりコメント:オープン前日10時に集合。担当者による展示コーナーのチェックと担当者以外による展示チェックを実施。ほとんど自分の担当した遺跡以外には目もくれ ず、設営し続けた実習生達は、一般来館者と同じく新鮮な目で仲間の展示コーナーを見学したようです。「新鮮な目」でお互い厳しいチェックをしあうこと。 「見る」展示から、「見られる」展示への一歩です。

第15回 復活! 4年生登場。  7月31日(土)

 4年生になって早4ヵ月。博物館学課程の履修を終え、あとは卒業時に資格をもらうだけ...かと思いきや!なんと今回の巡回展のお手伝いをさせてもらえることになりました!もうお声はかからないだろうと思っていた矢先の出来事です。
 しかも、また垂れ幕&看板(?)制作(昨年も私が担当でした)。垂れ幕は一見 脇役のようですが、実際はかなり目立つところなんですよね。手が抜けません(笑)。昨年は「和モダン」なイメージ。今回は3年生のイメージするビビッドカ ラーを基調として、ポップで爽やかな画面構成にしました。細かな装飾は一切加えず、すっきりとさせました。
 それにしても3年生の発想は斬新ですね...。私たちの時は遺物は遺物としての固定概念を前提にイメージして、展示構築させたため、従来の展示の域を越えられなかったように振り返ります。ただ博物館入口の装飾・ 導入部は、とても画期的だったのですよ、当時は...。
 3年生の柔軟な発想が読み取れる今回の展示は、従来の形式に囚われず、ある意味、学生らしさ、個性が見えます。歴史好きな方をはじめ、遺跡に興味がないという人までも、どこか、何かで楽しめるようなところがあるような気がします。是非、博物館に足を運んで、実際の展示を見てほしいです。とにかく、見てください!面白さを発見できるかも。
                        (文学部 日本文学科4年 藤山 佳子)

学芸員よりコメント:展示室の設営と各遺跡のリーフレット、チラシ・ポスター作りで手いっぱいの実習生達。見かねて4年生に声掛けする。二つ返事で颯爽と現れた藤山さん。今、展示構築中の実習生達のイメージを崩さないようにと、配慮しながら短時間で練り上げ、完成へ。今回の設営には1年生の脇沙織さんも3・4年生に混じっ て協力してくれました。展示設営は「博物館実習Ⅱ」の授業の一環ですが、他学年の博学生有志が率先して動き、下支えしてくれたことは何よりも嬉しいことで した。

第14回 展示設営の開始。  7月28日(水)

 7月27日から、いよいよ展示設営が始まりました。私の担当する『長谷遺跡』では、やや低めの覗きケースを2つ使い、遺物を展示しようと考えていました。
 しかし、足鍋がその展示ケースの中に収まらなかったため、急遽、全遺物を平置できる展示台に並べ、アクリルカバーを被せて展示する形に変更しました。足鍋のように、高さも幅も比較的大きな遺物は、きちんと展示ケースの中の寸法を事前に確認しておくべきことだったと思います。確認を怠ったことは反省点ですが、当初予定していた展示ケースの中に収めて展示するよりも、かえって足鍋の全体像が見やすい展示になりました。
 パネルの設置の仕方など、初めての設営作業は、わからないことばかりでした。石斧を展示するときは、刃先を下にする、遺物の特徴がわかる面を表にして展示するなど、学ぶこともたくさんありました。
 限られた設営日数のなか、みんな一生懸命に作業を行い、なんとか巡回展までに設営を終えることが出来ました。それぞれの班のアイディアと、想いが詰まった巡回展に、是非一度、いらして下さい。 (文学部日本文学科3年 今本利穂)

学芸員よりコメント:資料搬入後は遺跡担当者による確認作業で始まります。資料梱包の状態、パネルの枚数、資料状況と点数など、出品台帳と見合わせながらの入念なチェックを行います。可動ケースの配置とパネルの設置など、すべての造作が終了できたら、初めて遺物に触れることができます。そのため、担当者は事前準備として報告書等で遺物の寸法などを確認した上で展示を考える必要があるのです。

第13回 撤収と搬入作業  7月27日(火)

 いよいよ今日は、巡回展で出品する資料を取りに行く日です。向かう先は6月に見学した山陽小野田市歴史民俗資料館です。
 8時50分に大学を出発、10時頃に到着。実習生全員で撤収・搬入作業を行いたかったのですが、当日授業の関係で、参加できた学生はたったの3人。少ない人数で不安を感じての参加でしたが、山陽小野田市歴史民俗資料館と山口県埋蔵文化財センターの方々が、朝早くから梱包作業をしてくださっていました。作業的には既に8割方が終了していたと思います。
 そこで早速、手分けして梱包のお手伝いをさせていただきました。私が梱包についてわからないことをお尋ねすると、丁寧に指導してくださいました。梱包を終えた資料を大学バスに乗せ、貴重な資料が壊れないように、往路よりもゆっくりとしたスピードで帰校しました。ここからは何が起きても、私たちの責任になるのだと言うことを胸に刻みながら、良い展示ができるように力を合わせたいと思っています。
                             (英米文学科3年 片山朋子)
学芸員よりコメント:山陽小野田市歴史民俗資料館と山口県埋蔵文化財センターの御厚意から、他館で展示された資料の撤収作業に、有志学生が参加させていただくことになりました。当日、実習生全員の参加は残念ながら実現しませんでしたが、資料撤収の実地学習のような形で体験させていただきました。参加した学生は、きっと本学での撤収作業も、率先して頑張ってくれることでしょう...。関係スタッフの皆様、学生への御指導をありがとうございました。

第12回 披露されたポスターは...みな絶賛!  7月26日(月)

 今回の実習では、はじめてポスター班が完成させた巡回展のポスターを見ることができまし た!とてもセンスが良いポスターで、特に足鍋が歩いているところが本当に可愛らしいです。堅苦しい印象がなく、幅広い世代の方々に来館してもらえそうだと思いました。巡回展のタイトルは「歴史のあしあと2010」と、とても魅力的なタイトルとなっています。また、巡回展のチラシの試作品を貰うことができ、これが私たちの巡回展なんだなと感動しつつ、開館の準備が着々と進んでいることを実感しました。
 その後はグループごとでそれぞれ展示に関する事を話し合いました。私の担当する『長谷遺跡』では、他の遺跡に比べて展示する遺物の点数が少ないため、パネルの追加や、ポップを増やすなど、現状案よりも工夫するべきかなど、展示の最終チェックとして熱心に話し合いました。
 渡辺先生からは考古展示にかんする貴重なアドバイスをいただき、私たちの疑問点も軽くなり、自分たちの展示がだんだんと明確していくことができました。「もっと頑張っていこう」というやる気に繋がりました!
                        (文学部 日本文学科3年 深谷麻美)
学芸員よりコメント:ポスターとタイトル案。全体の打合せ時には決まらず、担当者だけで確定したもの。他の学生には今日が初お目見えだったわけです。完全版下を作成担当した実習生は、行間・字間・字体・配色すべてのレイアウトを仲間同志でぎりぎりまで校正・調整を繰り返し、完成させました。チラシとポスターは展覧会の広告塔。そして学生達の実習展示よる成果の象徴です。

第11回 パネル製作への執念!  下関市立考古博物館へ  7月23日(金)

 私たち長谷遺跡の班では、もっとわかりやすく、親しみやすいようにと、石器や石斧などの使い方のパネルを作ることにしました。
 参考資料がなかなか見つからなかったので、下関市立考古博物館へ急きょ移動。考古博物館では本学の卒業生で、学芸員の松村慧先生が資料探しに協力してくださいました。
 博物館の学習室には、低学年から大人まで、考古学にかんする疑問等がすぐ調べられるように、各種多様の本が配置されていました。今回はそれに加えて、松村先生から適切なアドバイスを頂きながら、希望する資料を無事見つけることが出来ました。この資料をベースに私たちのパネルづくりが始まります。
 資料を見つけた後は、館内見学へ。石器とその使い方を描いた絵とを合わせるクイズがあり、さっそく挑戦したのですが、間違った回答をしてしまったりと、まだまだ勉強が足りない... と実感。土器を復元するパズルもあり、次回はぜひチャレンジしたいと思いました。
 考古博物館にはクイズで学んだり、楽しめる工夫がたくさんあり、私たちも来館者のみなさんが楽しんでもらえるような展示にしなくてはと、改めて思いました。パネル作りに尽力します。
                (文学部 日本文学科3年 大地加伊)
学芸員よりコメント:「親しみやすい、わかりやすい」の言葉は、博物館用語の常套句になっている昨今です。学生の実習ノートに目を通す時、見学館の感想欄には、この二つの言葉の肯定形もしくは否定形が並びます。誰に対して親しみやすい? 何が、誰に対してわかりやすい?  言葉を向けた先はどこなのだろう...。実践を踏まえながら、考えてほしい事柄の一つです。
 下関市立考古博物館の学芸員・松村慧先生、ご教示をありがとうございました。

第10回 ポスター・チラシ担当者たちの本音  7月27日(火)

※巡回展ポスターこちら(PDFファイル)
※チラシこちら(PDFファイル)

ポスターをデザインするにあたって、一番こだわったのは「学生らしさ」です。
もちろんきちんとしたものにしたいけれど、それだけではなくて「私たちにしかデザインできないもの」を作るために何度も話し合いを行いました。パステルカラーを多くしよう、というのはその内のひとつで、希望通りの私たちらしく、 ポップでかわいいポスターができたのではないかと思います。ぜひ、立ち止まってじっくりご覧ください。 (日本文学科3年 武内玲依奈)

みんなの意見や学生らしさを表現するのに、悩みながら作りました。ラフが出来上がって、さらに悩みました。
これで人が来てくれるだろうかと...。たくさんの人が来館してくれたら幸せです。(阿座上)

今回初めて巡回展のポスター作りを行いましたが、どんなメッセージを込めるのか、どうアピールするのかなどを考えなければならず、とても勉強になりました。
これを見た方が、一人でも多く来てくださると嬉しいです。(中嶋)

私達の特色が上手く表されているポスターが完成しました!
最初はとても不安でしたが、皆で協力したので素敵なポスターが完成したと思います。
本当に大学生活の良い思い出になりました。(木谷)

遺跡とは歴史のあしあとです。あしあとを山口県特有の遺物である足鍋で表現しました。
堅苦しさをできるだけ感じさせないように皆でデザインしたので、幅広い方々に来場いただけたらと思います。(片山朋子)

ポスターは、やはり足鍋の可愛さが一番のポイントだと思います。
あの足鍋が三本足でトコトコ歩いてる姿が気に入ってます。
「歴史のあしあと」というタイトルと足鍋の足跡に注目です。(日髙)

「自分が見て立ち止まってしまうもの」を基準にして作りました。難しそうというイメージを払拭するために、特に色選びは苦労しました。皆で協力したかいもあって、とても良いものができたと思います。(武内)

学芸員よりコメント:前回の「学芸員コメント」に尽きます。実は学芸員もタイトル候補を挙げ、プレゼンまでしたけれど、けんもほろろ。学生達から即、却下。「それはないよなぁ...」と思いつつ、されど学生展示、呼びかける対象者は学生。ごもっとも...と納得す。完成したポスターとチラシを見た瞬間、学生達の底知れぬパワーとしなやかさとユーモアを感じ、教員・学芸員・学生の関係を超えた「巡回展スタッフ一同」になれた一瞬でもありました。

第9回 迫る巡回展、足りない準備期間  7月12日(月)

 今回の実習も、先週からの続きで、渡辺先生の考古学的な指導を仰ぐ時間になりました。各遺跡班では、展示の方向性の最終案を話し合い、全体で展示配置の決定を行いました。広報編集班は、チラシ、ポスターの草案をまとめて、今後の計画を練りました。渡辺先生のご助言から、概ね、現行案のままで展示採用される班もあれば、「少し目玉が違う」のではないかということで、若干の軌道修正を計る班もあったようです。
 私が担当する「上り熊遺跡」は、現行案に対してご指摘を受け、展示構成を多少変えることになりました。いままでは、室町時代と江戸時代の擂鉢の形状の変化やその変遷ばかりに目がいっていました。しかし、ご指摘から出土品の一つである硯が、下関で作られた「赤間硯」だということがわかりました。また、その他の展示品にも新たに解説パネルを加えることで、観覧者に対してもっとわかりやすく見てもらえるのでは、といった内容にまで話が及び、実のある話し合いとなりました。
 もう巡回展開催までに、全体で集まり話し合う機会が、指で数えられるほど迫ってきました。次回までには展示構成図、ポスター、新規キャプションの作成など、多くの課題を消化しなければなりません。切羽詰まったスケジュールになりましたが、関わった全員が成功をめざして頑張っています!
                         (文学部日本文学科 3年 松村翔)
学芸員よりコメント:今週も引き続き、渡辺先生と学生達との考古学問答です。公報編集班は自主的に会合を開いて、大方のチラシ・ポスター案を想定した模様。その案が渡辺先生と学芸員に披露されました。
「・・・・足鍋が歩く!? 」
二人即答できず、「目が点」状態の「・・・・」。ようやく一言、「ひとまず、イメージチラシを作ってみたら...」。
数日後、「お~!!」と声が出てしまう程の出来ばえ。学生発想は恐るべし。近々HP上でご披露いたします。

第8回 絵図に圧倒! 山口県文書館  7月7日(水)

 私たち三見ほうろく遺跡班4名は、江戸期に書かれた「地下上申絵図」と「道松図」から、遺跡の場所を紹介するパネルをつくることになり、7日(水)、その2点を所蔵する山口県文書館に行きました。
 が、早くに着きすぎたので、巡回展資料の所蔵元である山口県埋蔵文化財センターを急きょ訪問。現在の展示は2009 年度に発掘された速報展でした。特に2年間の発掘調査の成果を紹介した朝田墳墓群は、素朴な疑問を小見出しにして、「展示を見るとその疑問が解消されるよ」という風にしていて、非常に分かりやすい内容でした。この「分かりやすさ」を私たちの展示にも活かせたらと思いました。そして御厚意から、整理作業室でのジオラマづくりや、土器の接合の様子なども見学することができ、発掘された資料にいっそう興味が持てました。
 時間のたつことに気づかず、急いで文書館へ。本学博物館長の渡辺先生と合流。文書館では最初に専門員の山田稔先生から、絵図の基礎について講義を受けました。山田先生は多くの画像をもとに、絵図がつくられた経緯やその種類、目的、地下図と清図の二種類があること等、軽快に流暢な話し方でわかりやすく説明くださいました。
 僕は絵図を見るのも、学ぶのも初めてでしたが、山田先生のご指導を受けながら、原物をゆっくりと丁寧に広げて閲覧しました。基本を教わったようで関心がもてました。パネルに使用する箇所を写真に撮影して、ほうろく窯や茶屋の場所が絵図表記にあるのか、目を皿のようにして確認しました。山田先生と渡辺先生と僕は、絵図とにらみ合いながら、おおよその見当がつきました。
 近世の遺跡と絵図とがつながったようで、ますます面白くなりました。あとはこのことをパネルで皆様にどうお伝えするのかを、班員一堂思案中です。
                         (文学部日本文学科3年 藤本淳志)
学芸員よりコメント:2010年7月7日の七夕は、学生共々、贅沢かつ稀有な一日でした。これ1点のみという貴重な実物資史料に触れ、閲覧できるという有難さ。学生達には伝わっただろうか...。次の世代へ整然とかつ着実につなぐ。先人を含めて大勢の「橋渡しの方々」による、見えない、たゆまぬ努力とその真摯さが「閲覧」を支えているのだということを。君たちは近い将来、どのような形であれ、橋渡しの一員として背負うべき文化財があるのだということを。山口県埋蔵文化財センターの皆様、山口県文書館専門員の山田稔先生、貴重なお時間をありがとうございました。

第7回 悩み相談! 考古学の基礎知識  7月5日(月)

 今日の実習は考古学専門用語等にかんする疑問、質問をはじめ、資料紹介の方向性に軌道修正が必要ではないか等、渡辺先生を交えて、様々な助言をいただき、とても有意義な時間だったと思います。
 まず、現時点の遺跡別コーナー案の発表と、広報・編集班の現状報告を行いました。各班ともに徐々に具体的な形になっていく様子がわかり、一層巡回展を行う実感や、今後の課題も同時に見えてきたように感じられました。 
 私は「東禅寺・黒山遺跡」を担当していますが、大まかに展示構成が決まりました。東禅寺・黒山遺跡は鋳銭司に影響を受けて発展した場所なので、そのことが伝わるような新たなパネルの追加と、既存のキャプションの一部を補足するような作業が生じます。残された時間内で必要な資料を集め、遺跡場所の背景や実際に生活していた痕跡を多くの人に、より身近に感じてもらえるような展示にしたいと思います。
                  (文学部日本文学科3年 薗田佳代)

学芸員よりコメント:学生たちの展示構成にかんする作業もいよいよ終盤。具体化が進む一方で、考古学専門領域の不安材料も噴出。そこで博物館長・渡辺先生のご登場です! ご相談後、なかには軌道修正をせざるを得ない班もあり...暗礁かと思いきや、すっきり、分かりやすい展示案へと一飛び。ザックリと見直すことも時には有効のようですね。

第6回 日数がないことの焦り...いまの展覧会「梅光グローブ座」展をみる  6月28日(月)

 今日の実習授業は、6月19日の山陽小野田市歴史民俗資料館訪問を参考に、企画展に向けてより具体的な展示構成会議が行われました。
 自分たちの担当する資料を直に見た後で、よりイメージがわくものもあれば、逆に想像とは違っていて練り直しが必要な部分も多くありました。
 「梅光会場だけの......」を出すために新たに加える資料、資料作りのためのソース探し、資料デザイン、展示位置など、今日の話し合いで大まかな展示構成を練っていきながら、もうあまり日数がないことに焦りを感じています。
 授業の中盤からは各班1名ずつ選出された広報係で、企画展のタイトルやポスター案を練ります。「とにかくタイトルを決めないと動けない!」ということで、タイトルを決めようと皆で案を出しますが、なかなかいい案が出ずに次回に持ち越しということになりました。
 終盤で実際に博物館へ移動。図書館司書長の永見さんより、開催中の「梅光グローブ座」の解説を受けました。歴史民俗資料館訪問の際もそうだったのですが、「先生」や「司書長」という立場になられてもなお、勉強を続けて資料や歴史などと真摯に向き合う姿勢には頭が下がるばかりです。
 次回の授業では梅光学院大学博物館館長で、博物館学でもお世話になった渡辺一雄先生と各班で出た資料や遺跡の疑問点を解決していく作業になります。今回より、もっと具体的かつ充実した授業にしていきたいと思います。
                      (文学部日本文学科3年 武内玲依奈)
学芸員よりコメント:展覧会は展示計画表を作成し、作業段取りを調整し、最終的には関係者個々の熱意を下支えにして開催へとつなぎます。「梅光グローブ座」展は国際言語文化学部主催の学習成果と、図書館所蔵の磯田光一先生の蔵書資料等を紹介した学習展示。博学生はいま、自分たちが描いた展示構成をどうすればかたちになるのかを考え中。だからでしょう...展示する側の視点の方が特に気になっているようです。

第5回 いざ、山陽小野田市歴史民俗資料館へ!  6月19日(土)

 巡回展で実際に取り扱う資料を見学するため、現在の開催地・山陽小野田市歴史民俗資料館へ行ってきました。学芸員の石原さやか先生から、館の概要と常設展示資料の特色について解説をいただいた後、巡回展会場へ移動してお話を伺いました。
 各遺跡から出土した資料の特徴や、石原先生が改めて勉強された内容、観覧者から教わったことなど、私達にとてもわかりやすく説明をして下さいました。パネルを読んだり、資料を見ただけではイメージしにくいことでも、説明を受けることで資料の見方や思い入れが変わっていき、とても勉強になりました。
 私の担当は「三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋遺跡」。事前に報告書を読み、実際に見学して疑問をもったことを石原先生へ質問。
「三見ほうろく茶屋遺跡からは土人形(侍の形をした土製人形)が土坑(今でいうゴミ捨て場)から出土しており、どうしてここから出たのですか」。
「はっきりしたことは不明ですが、当時茶屋へ訪れた人の忘れ物や落し物だった可能性があります」とのこと。
 遺跡や個別資料を通して学んでいく度に、どんどん疑問と興味が広がっていきます。
 私達の8月の巡回展では、石原先生のように少しでも興味深い説明や展示が出来るように、頑張って準備をしていきたいと思います。
                        (文学部日本文学科3年 木谷 綾乃)
学芸員よりコメント:19日10時20分、大学バスを利用して総勢29名で訪問。山陽小野田市歴史民俗資料館の石原学芸員のつきっきり2時間見学。「見よ、これぞ学芸員魂!」と感動を覚えたのは学生達も同じこと。博物館学を学ぶ彼らには現場で資料と来館者対応に奮闘する学芸員の姿を目の当たりにできたことは、何よりも活きた教育。
 石原学芸員、感謝。ありがとうございました。

第4回 巡回展・梅光会場だけの、とっておきのパネルをつくる! 6月14日(月)

 巡回展の実習授業は4回目。遺跡グループ毎での展示構成案をつめる作業は継続中です。
 今、巡回展は山陽小野田市歴史民俗資料館で開催中です。事前にその巡回展を見学した実習生から、様子がわかる写真資料の提供を受け、より一層の実感を得て、作業は進んでいます。また、新たに二次資料やキャプションをつけるのか、展示パネルを追加するのか等、具体的な話し合いにもなりました。
 私が担当する「三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋跡」では、報告書に掲載された絵図(山口県文書館所蔵)を元にした解説パネルを作成することにしました。そのためには絵図資料の事前勉強を行い、実際に閲覧して、文書館の専門員の先生に詳しいお話を伺い、それを元に二次資料を作りたいと考えています。
 そして、全体の話し合いでは、各遺跡を紹介する展示巡路、順番をどうするかを、各グループの希望を提示し合いました。結果、やはり壁面も多く、広い展示空間づくりができる部分に人気が集まりました。巡路は古い時代から新しい時代へと進める年表展示の方法を優先させるか、それとも違う方法を選択するか、全体像として展示の仕方をどうするのか。考え、悩みどころです。
                         (文学部日本文学科3年 森本莉美)

   ※日誌の写真は学生が撮影したもの。
左写真...三見ほうろく遺跡班。どんなパネルにするの?
中央写真...今日のカメラマン。構えて、狙って...。
右写真...報告書を片手に展示風景を見比べて...。
学芸員よりコメント:「梅光会場だけの...」のこだわりが、学生達の共通するテーマ。「こだわる」ために必要なこと。労を惜しまず、調べ続けること。
さあ、頑張っていい汗かこう!

第3回 報告書とにらみ合い。で、何にするタイトル? 6月7日

 三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋跡、上り熊遺跡、朝田墳墓群、東禅寺・黒山遺跡、長谷遺跡を担当するグループに分かれて、それぞれの発掘調査報告書をもとに話し合いました。
 遺物、遺構など、特に来館者に紹介したいところはどこか。どの点を焦点にするのか、また新たに作成したいパネルや、もっと調べておきたいところ等、グループ代表者が意見をとりまとめて発表しました。
 遺跡ごとに展示イメージを膨らませていく中で、アピールしていきたい遺物などの歴史的背景を詳しく理解する事や、前提とする資料そのものの定義付けをおこなうことも大切です。私が担当する長谷遺跡についてますます理解を深めていかなくてはならないと感じました。
 次に、巡回展のタイトル案を出し合いました。4つほどタイトル候補が挙がりましたが、今回はまだ決まりませんでした。タイトル名は重要です。とりあえず、次回までに一人ずつ考えてくる事になりました。どのようなタイトルが皆のイメージにあるのか楽しみです。
                       (文学部日本文学科 3年 日高千晶)
   左写真2枚...遺跡別で展示構想を練る...真剣な表情
右写真...展覧会タイトルは意表ついて、これなんかどう(笑)?

第2回 5遺跡の特色を探ろう! 5月31日

 今回の授業では、山口県埋蔵文化財センターが発行した「掘っちょる山口2008」のパンフレットを参考に、それぞれ5遺跡について興味・関心を抱いた点や、疑問点を自由に述べ合いました。
 みんなの意見を聞いていると、やはり自分では考えもしなかった点に着目する人もいて、「なるほど!」と頷けるところもありました。
 その後2009年に刊行された該当する遺跡の発掘調査報告書を読んで、どの遺跡を詳しく調べたいのかを決め、同時に遺跡担当者として私たちは班ごとに分かれました。興味をもった遺跡が複数あって迷っている学生の姿も...。かく言う私もその内の一人でした(笑)。これから遺跡担当者として、巡回展に深く関わっていくのが楽しみです。次の授業もはりきって頑張ります!(文学部 日本文学科3年 佐伯美沙子)

第1回 「発掘された山口」巡回速報展(仮称)へ向けて 5月17日

 今年も財団法人山口県ひとづくり財団山口県埋蔵文化財センター主催の巡回展が梅光学院大学で開催(会期8/2~8/31)されます。
 今日は第一回目の打ち合わせでした。打ち合わせとはいってもまだ授業を聴くという状態で、全体スケジュールと実際展示する資料の説明です。
 展覧会に向け、どのような展示にしていくかをイメージするかが第一段階で、そのため展示する資料を理解し自分が何を伝えたいかという軸をしっかり見つけ出すことが大切だと感じました。
 またこの展覧会の対象者、どんな方が見に来られるかを考え展示を作っていくことも大切です。  実際に展覧会を開き、見てもらうということは、自分に何が足りないか何を学ぶべきかを体感できる場となりますので、積極的に取り組んで良い展覧会にしていきたいです。
                            (単位等履修生 阿座上有輔)
右写真:本学博物館は山口県博物館協会加盟館。他館へどのようにPRすべきか...。博物館キャラクターをどこで登場させようかな?イメージだけは膨らんでゆく...。

  • BGU contents
  • 大学の概要
  • 学部・学科・大学院
  • 海外留学
  • 取得できる資格
  • 卒業後の進路
  • 地域貢献
  • 教養教育
  • 特別課程
  • 施設・機構
  • キャンパスライフ