
『金子みすゞ心の風景』(金子みすゞ:詩、栗原弘:写真、木原豊美:解説 平成22年刊 美術年鑑社)紹介者:倉本 昭(11/010/01)
紹介者:倉本 昭
さて、読書の秋である!震災後のCMをきっかけにした、金子みすゞのブームがさめやらない。この秋、みすゞの詩集を読もうと思われる皆さんも多いはず。そんな皆さんが、みすゞの詩集を手にとろうと思えば、様々なタイプのものが本屋に並んでいて、一瞬迷うことだろう。
まずは美しい写真が、みすゞ詩の世界に横溢する豊かなイメージを伝えてやまない。でも、ただきれいだけではない。みすゞが下関で詠んだ「天人」のモデルが撮られていたり、被写体として、わざわざ大正から昭和にかけての骨董品を探したりと、カメラマンのこだわりが尋常ではないのだ。
解説も是非読んでいただきたい。みすゞの詩を、詠まれた背景の考証を通じて、丁寧に読み込んでいる。過度な感傷や思い入れはない。解説者は、みすゞが活躍した下関で生まれ、長年、みすゞ研究に取組んできた。巷で「新発見」と騒がれている貴重な写真を、誰よりも早く入手して、さりげなく紹介しているのも、成果の一つ。地道な研究と詩人への愛が、みすゞ詩の鑑賞に一石を投じている。
(くらもとあきら)
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