
第三回 「地域文化演習l・ll」 授業担当 倉本 昭先生にインタビュー(2007/3/28)
もともと江戸時代の文学を勉強するゼミナールでしたが、昨今、学生の関心が文学周辺分野に拡散して、バラエティーに富むユニークなものとなったことから、「地域文化研究コース」立ち上げと同時に、そちらの付属となりました。戦国時代から幕末までの文化事象のうち、文学・美術・信仰・歴史を扱います。日文ゼミの中で一番ワイルド、すぐ表に飛び出しちゃうようですが、このたびもまたツアーと称して京都に出かけた模様・・・
----秋はいつも関西にお出かけですね。
恒例ですからネ。学生もムズムズしてるし(笑)。でもツアーっていうのは、きちんとした調査旅行です。全員各自の研究テーマに沿って、研究機関や寺社を訪ねる事前準備を積んだ上での旅です。
----どんな研究テーマがあるんですか?
4代目ゼミ生を修学院・桂の二大離宮に案内し、そのうちの一人が離宮を材に卒論を書いて以来、急速に文学離れが起こっちゃって。庭園が出れば、「雅び」つながりで和装とか和菓子とかが出る。こういうのは女子が取り組むのですが、男子は戦国武将や新撰組に魅かれていきます。人物関係では文献解読が主になる一方、庭とか着物だと本物を見に行く必要が出てくる。行くのは歴史の都・京都。それなら文献組もいっそ京都で資料を集めちゃえということで、5代目からは取材や文献資料収集を目的とした関西旅行になりました。
---- 京の地で、学生さんは具体的にどのような調査活動を行っているんですか?
テーマが異なる以上、バラバラに活動してます。私は中でも一番手間のかかりそうな調査をする学生につきます。手間がかかる調査とは、大きな寺社や、老舗の会長・社長に取材を試みる場合ですね。なにか失態があると問題だし、実際、神主や住職、社長の前では学生が緊張にふるえて取材が難しいのです。センセイの前では気楽に興じているのに。
---- たとえば、どんなところに行かれましたか?
今年は堺の老舗菓子店3軒を取材した学生に付き添いました。先輩で京の有名菓子店を取材して職人に腕を褒められたつわものがいましたが、学生の取材攻勢に気軽に応じる老舗は今や見つけにくくなりました。そこで堺に目を転じたら、社長さん方が快諾してくださいました。古いところだと店の名前を太閤秀吉がつけたところなんかあって、京都にひけをとらない菓子の伝統をもった町でした。空襲で文書類は残らないのですが、代々伝わった口伝を聞き取り調査しました。帰りには学生とわたしと、両手にいっぱいおみやげがぶらさがってて。
---- おいしい研究調査ですね(笑)。調査旅行で学生さんたちは、どうかわりますか。
やはり自分の足で苦労して探し出すこと、本物に触れること、伝統と歴史を守る方々の情熱に触れること、こういったことがキャンパスでは得られない感動を学生に約束します。大きな達成感と忘れえぬ思い出を胸いっぱいにするんです。12月には卒論のおおよそが書きあがって、提出前にあたふたする学生はいません。研究テーマの選択や調査が就職に結びつく学生も稀にいます。実は堺に行った学生は卒業後パティシエを目指すのです。
































