| 第4回全国「高校文芸誌(及び文芸創作)」コンクール選考結果発表
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| |「高校文芸誌」部門|
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開学130周年を記念して梅光学院が始めた全国「高校文芸誌(及び文芸創作)」コンクールは、
今年で第4回を迎えることとなりました。北は岩手や宮城から南は鹿児島まで、
全国各地の高等学校から62校67誌、掲載作2278作品が寄せられました。そのうち、23校が初参加です。
選考の結果、入選作品は別記のように決まりました。
文芸誌部門では、最優秀奨励賞に岩手県立盛岡第三高等学校の『黎 第4号』が初投稿で選ばれました。
小説・詩歌・ブックレビューに戯曲といった様々なジャンルの作品を掲載しバランス感覚に秀でた文芸誌です。
加えて「短歌鍋」の企画が斬新でおもしろかったこと、新しい試みに挑戦する勢いが抜きんでていました。
優秀奨励賞には広島県立広島観音高等学校『海溝 72号』、国立呉工業高等専門学校『K.N.C.T.005』、
福岡県立若松高等学校『響 第5号』の三誌が選ばれました。
新しく設けた梅光学院大学文芸部賞は学生委員による選考で、
初回に筑紫女学園高等学校『いさらゐ 第46号』が決まりました。
『海溝 72号』『響 第5号』『いさらゐ 第46号』の三誌についてはどれも実力伯仲、
模範的な企画編集で安定した力をもっています。今後意表をつくような新鮮な企画に挑戦してほしいところです。
『K.N.C.T.005』は、平和記念館館長へのインタビュー記事やロボコンの企画が読みごたえがあり
、雑誌作りへの勢いを評価しました。
個人作品部門では、最優秀作品に三篇が入賞。
愛媛県立新居浜西高等学校、高瀬さんの小説「ラマン効果」は選考委員全員一致で決定しました。
筑紫女学園高等学校、久保田薫さんの詩「思ヒ出」は回想の光景が生き生きと描き採られています。
なお今回、
個人作品部門の最優秀作品に『黎 第4号』の「短歌鍋」が、佳作に山口県立柳井商業高等学校『篝火 78号』の
「みんなの絵本」が入賞しました。どちらも文芸部員たちが協力して作り上げた企画作品です。このような企画作品は、
いくら優れたものであっても、「個人作品」ということで、この部門の授賞対象とはならなかったのですが、
今回の選考では特に「短歌鍋」の斬新な発想を選考委員一同が高く評価しました。
のみならず、この企画作品では鍋料理の食材をめぐってそれぞれが短歌を競うのですが、
そのことによって文芸部員たちが切磋琢磨し合う様子がよく伝わってきます。そこで、「個人」とは付いていますが、
あえてこの企画作品に授賞することにしました。今後はこうしたものも授賞候補の対象となりますので、
今まで以上に企画を工夫してみて下さい。
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| 「高校文芸誌」部門 |
| 最優秀奨励賞 |
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文芸誌名 |
高校名 |
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黎 第4号 |
岩手県立盛岡第三高等学校 | |
| 優秀奨励賞 |
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文芸誌名 |
高校名 |
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海溝 72号 |
広島県立広島観音高等学校 |
K.N.C.T.005
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国立呉工業高等専門学校 |
| 響 第5号 |
福岡県立若松高等学校 |
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| 佳 作 |
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文芸誌名 |
高校名 |
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篝火 第78号 |
山口県立柳井商業高等学校 |
| 言葉遊戯 vol.2 |
広島学院高等学校 |
| 寂光 vol.7 |
福島県立湯本高等学校 |
| 青窓 71号 |
大分県立大分上野丘高等学校 |
| 柊 2005年春号 |
鳥取県立米子東高等学校 |
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| 梅光学院大学文芸部賞 |
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| 個人作品部門 |
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賞 |
分類 |
作者名 |
作 品 名 |
県名 |
高校名 |
文芸誌名 |
最優秀作品
下関市長賞
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小説 |
高瀬 |
ラマン効果 |
愛媛
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愛媛県立新居浜西 |
NOSTALGIA |
最優秀作品
梅光学院長賞
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詩 |
久保田薫 |
思ヒ出 |
福岡
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筑紫女学園 |
いさらゐ 第46号 |
最優秀作品 佐藤泰正賞 |
企画 |
(文芸部) |
短歌鍋〜食欲に燃えた青春〜 |
岩手 |
岩手県立盛岡第三 |
黎 第4号 |
| 優秀作品賞 |
小説 |
望月陽蕗 |
お札と花の首飾り |
鳥取 |
鳥取県立米子東 |
柊 2005年春号 |
| 優秀作品賞 |
小説 |
水雪 夕 |
海雪
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愛媛
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愛媛県立今治西 |
鯨ケ丘 58 |
| 優秀作品賞 |
詩
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真幸 市
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一場面の成分 |
広島
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清水ケ丘 |
ましみず No.44 |
| 優秀作品賞 |
詩 |
赤柳 枢 |
蛾 |
広島 |
ノートルダム清心 |
週刊偽誌 √14号 |
| 優秀作品賞 |
詩 |
松本望和子 |
GAME |
富山 |
高岡第一 |
邂逅 創刊号 |
| 優秀作品賞 |
詩 |
牧野みどり |
空とバスの交響曲 |
大分 |
大分県立大分上野丘 |
青窓 71号 |
| 優秀作品賞 |
短歌 |
海棠銀河 |
(いい日旅立ち)三部作 |
大分 |
大分県立大分上野丘 |
étude ソツギョウセイサヨナラ号
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| 優秀作品賞 |
短歌 |
司 柚輝 |
いろ いろいろ |
広島 |
ノートルダム清心 |
週刊偽誌 √14号 |
| 優秀作品賞 |
俳句 |
大谷綾子 |
(切りすぎた) |
福岡 |
筑紫女学園 |
いさらゐ 第46号 |
| 優秀作品賞 |
俳句 |
藤田麻織 |
(掌に) |
広島 |
広島県立安芸南 |
瞬き 第3号 |
| 佳作 |
小説 |
白昼夢 |
雨の日賛歌 |
神奈川 |
神奈川県立相模原 |
みちくさ 文化祭号 |
| 佳作 |
小説 |
柚翠肖夜 |
紙飛行機に乗せて |
山口 |
山口県立華陵 |
Who's That? vol.21 |
| 佳作 |
小説 |
広瀬 晶 |
Three |
宮城 |
宮城県白石女子 |
つどい 第55号 |
| 佳作 |
小説 |
天城 命 |
春に降る雪 |
宮崎 |
宮崎県立佐土原 |
花蝶風月 ―天の巻― |
| 佳作 |
小説 |
愛沢若菜 |
ビー玉の記憶 |
大阪 |
大阪府立生野 |
JACKPOT 第40号 |
| 佳作 |
小説 |
後藤百合子 |
やまねんねごん |
大分 |
大分県立大分上野丘 |
青窓 71号 |
| 佳作 |
小説 |
佐賀詩音 |
闇は割れる |
兵庫 |
神戸女学院 |
光 |
| 佳作 |
詩 |
笑 美 |
招待状 |
山口 |
山口県立防府 |
レセダ 50 |
| 佳作 |
詩 |
山本由貴 |
吹き抜ける風 |
福岡 |
福岡県立若松 |
響 第5号 |
| 佳作 |
詩 |
羅御☆明空 |
ラビリンス |
鹿児島 |
鹿児島県立加治木 |
かがり火 |
| 佳作 |
短歌 |
汐月亮二 |
永夜の夢想 |
大分 |
大分県立大分上野丘 |
青窓 71号 |
| 佳作 |
短歌 |
山下真穂 |
夢、こい、ひとひら。 |
石川 |
石川県立小松 |
冷吟閑酔 第2号 |
| 佳作 |
短歌 |
小田那津子 |
(「遣り水」を) |
岩手 |
岩手県立盛岡第三 |
黎 第4号 |
| 佳作 |
俳句 |
岩永亜季 |
(吾が家へ) |
福岡 |
筑紫女学園 |
いさらゐ 第46号 |
| 佳作 |
エッセイ |
増金 愛 |
「永遠の少年」との時を越えた愛 |
広島 |
国立呉工業高等専門 |
K.N.C.T.006 |
| 佳作 |
エッセイ |
小林二条 |
回想録 |
千葉 |
千葉県立千葉 |
風花 |
| 佳作 |
エッセイ |
原 加奈恵 |
不思議な「森のくまさん」 |
福岡 |
九州国際大学付属 |
若草 42号 |
| 佳作 |
エッセイ |
新妻玲央 |
遍路〜真冬の巡礼 |
福島 |
福島県立湯本 |
寂光 vol.7 |
| 佳作 |
エッセイ |
アオイ♀ |
夜の散歩 |
福岡 |
福岡県立東筑 |
Amaretto 創刊号 |
| 佳作 |
企画 |
(文芸部) |
「みんなの絵本」 |
山口 |
山口県立柳井商業 |
篝火 第78号 | |
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| 選考委員の講評と感想 |
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| 村田喜代子(本学教授 作家)
小説を書くのはもう一つの模擬世界を作ることと同じで、大げさにいえば天地創造だ。
つまり全能なのである。だからどんな世界を作ろうと作者しだい。
せっかく造物主になるのなら、もっと暴れてほしい気がする。
日記の延長みたいに内省的にまとめるばかりでなく、
ときに意識的に構想をふくらませて小説の機能を大いに使いきってほしい。
今回は高瀬さんの『ラマン効果』が、創造性の点でアッといわせた。
ふわりと重力を脱した文章の効果もよい。
何しろスイカの中に海があってスイカ男が泳いでいるという世界だ。
ただこのスイカ男の描き方は薄くて、リアリティに乏しい。
それが残念であるが、ラストの、空が切り開かれて主人公によく似たもう一人の少女の顔がのぞきこむイメージは秀逸だった。物理学の光の現象をタイトルに使って、作者はポーンと重力の地を飛んだわけである。
望月陽蕗さんの『お礼と花の首飾り』は、それとは逆の、田舎へ帰って幼い従妹に会い自分確認をするという等身大の世界を、落ち着いた文章で描いている。自然で含みのある二人のセリフのやりとりには度々感心させられた。
水雪夕さんの『海雪』はハーフの少女を主人公にして、実枚数よりずっと長い作品を読んだという手応えがあった。
長編を書いて最後まで意識を盛り上げていく持続力がありそうだ。
ただなぜカナダ人の父は麻薬常習者でなければならなかったのか。ストーリィの展開の粗さを感じたのは残念だ。
他に佐賀詩音さんの『闇に割れる』の地底描写、白昼夢さんの『雨の日賛歌』のとりとめのなさも心に残った。
それから幾つかの作品で気になったのはセリフの騒々しさだ。
作中のセリフは実際のナマのおしゃべりとは違う。会話の形をした文章の一種だと知ってほしい。
地の文同様にもっと推敲が必要だ。
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村中李衣(本学教授 児童文学作家)
小安売りのことばが、個人商店の店先に
「さらりとしたのどごし」だったり、「さらりとしたつけごこち」だったり、「さらりとしたくちどけ」だったり、
いまや、消費生活の主流はさらり感のようだ。そういえば、「なんとなく」が時代の気分だった頃もあるが、
なんとなくといった、関係へのためらいや、恥じらいもなく、関わりの質感がなくなってきているということ。
それは、そのまま、この小説を私が書こうとあなたが書こうと、今書こうと2週間後に書こうと、
そんなことはさしたる違いでない、ということにもつながっている気がする。さらりとした少年愛や、
赤い血を見ないさらりとした死が、多くの文芸誌の軒下に並んでいた。
その意味で『ラマン効果』は、ずるりとむけていくような触感を残し、特異な光を放っていたが、
これも単なる「光の変調による分子の特有振動」?と手の内をばらしてしまうようなタイトルは、
考慮の余地があるかもしれない。
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ひこ・田中(本学教授 児童文学作家)
気になったことが二つ
たくさんの物語を読ませていただきました。ありがとうございます。
気になったことが二つ。
主人公の周りの人物が病気や事故で亡くなってしまうパターンの物語が目立ちました。何故ですか?
登場人物を何故そんなにも簡単に殺してしまうのですか?
確かにその手を使えば物語は動くでしょう。でも、そんな方法に慣れてしまわないでください。
作品の終わりに「あとがき」を書いているものがたくさんありました。
正直に言って、どうしてそんなものが必要なのかが理解できませんでした。
自分が作り上げた物語なら、それは物語そのものだけで勝負してください。
「あとがき」なんかで、フォローしないでください。もっと自信を持って!
『ラマン効果』はそうしたことはなく、世界がちゃんと一人で立っていました。
どんな批評が来ようとも、受けとめる覚悟を感じ取ることができました。
主人公は、自分と周りとの不和を抱え込んでいるのですが、そこをもう少し書き込んで欲しかったと思います。
タイトルは自意識過剰かな。普通に考えてみて!
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北川 透(本学教授 詩人 文芸評論家)
詩を書く手応え
詩の選考について書きます。
作者が書こうとするものに、どこまで手応えを感じているかに、作品の差が生まれているように思いました。
特に最優秀作の久保田さんの「思ヒ出」に、そのことが言えます。
作者は中学入学以来学んだ旧校舎が取り壊されることに、強い想いを抱いています。
それがモチーフになって、四季の自然の変化を映す校舎や、
その中で学んでいる生徒たちの生活が生き生きと描かれています。
また、優秀作の赤柳さんの「蛾」や、牧野さんの「空とバスの交響曲」も、それに劣らず、いい作品でした。
前者は死んでからからに乾いた蛾を注視するところから、後者はバス停でバスを待つところから、詩が始まり、
一つの作品世界が出来ています。
真幸さんの「一場面の成分」は目頭から出る液体の成分を問題にする発想のユニークさが際立ち、
松本さんの「GAME」 は携帯電話の着信音から、いまの高校生の生活が見えてくるところによさがありました。
これらの優れた作品の周囲に、それと並ぶ、あるいは拮抗する多くの作品があることも嬉しいことでした。
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小林慎也(本学教授 ジャーナリスト)
文芸誌を読む楽しみは、高校生たちが現実というベースキャンプからことばの翼でどう飛翔するかを眺めることだ。
今回も、奔放な可能性をはらむ作品が多かったが、エッセーや定型の短歌俳句の分野では、
むしろ現実の作者の姿が重なって見える面白さもあった。
エッセーでは、小林二条さんの「回想録」、新妻玲央さんの「遍路〜真冬の巡礼」
などにはそれぞれの現在位置が確かめられた。
俳句では、安芸南高校の句誌「瞬き」が頭抜け、中でも麻織さんの言語感覚が光った。
「ピアノ弾く微熱の少女聖五月」「掌を合わせて微笑す原爆忌」。
同じ佳作の岩永亜紀さんの「ラジオにてテロを聴く今日原爆忌」の今日性も光る。
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島田裕子(本学教授 歌人)
今回、短歌は、現代詩と同じ感覚で作歌する傾向が強くなった。一作品の歌数も多く、レトリックの用い方が巧みになり、質量ともに水準が上がってきた。
海棠銀河さんは、歌群の頭文字がその題と同じになる凝った技法を使う。「ひと時に永久を思ったくだらない言葉の中こそ二人は溢れた」や「ルビを振る余計な科白を織り交ぜて」等、鋭敏な感性と言葉が光る。司柚輝さんの「いろ いろいろ」は「空泣く日……」の歌等の飄々とした語り口に引かれた。汐月亮二さんの「永遠の夢想」は言葉の多彩さが魅力だが下句の決定力が課題だ。小田那津子さんは「青空に向かってたてる物干しは遠く宇宙に届かざりけり」等、伸びやかに広がる歌柄が壮快。山下真穂さんは比喩が新鮮だ。
しかし何よりの収穫は、「短歌鍋」の企画である。寄せ鍋の食材を作歌で競い合う題詠歌会は、判定という相互批評も盛り合わせた美味しい企画であった。
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加藤邦彦(本学講師 日本近・現代文学研究)
今回、文芸誌を読んでいて思ったことは、謝辞があまりにも多すぎる、
ということです。自分たちの雑誌や自分の作品を読んでくれた人に思わずお礼を述べたくなる気持ちはよくわかります。
しかしその一方で、文芸誌や文芸作品においては傲慢さといったものがもっと必要な気がするのです。
自分たちが胸を張れる雑誌や作品作りができているでしょうか。少なくとも、その努力はしているでしょうか。
作り手側が堂々としていないと、読者は作品世界にどっぷり浸ることができません。
今回多くみられた謝辞のほとんどには、自分たちの自信のなさや言い訳めいた感情がこめられている気がしてなりません。
最優秀の「黎」は、「短歌鍋」「詩のボクシング大会報告」などの企画力の高さに加えて、
いずれも内容が面白いことが評価されました。「K.N.C.T」は総合誌としてみると非常にいい雑誌です。
ただ、文芸誌としてはまだまだこれから。
「響」「海溝」は模範的な作りをした文芸誌なのですが、もう少しわんぱくさや冒険心がほしいように思います。 |
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梅光学院大学文芸部 学生代表
『いさらゐ』
今回、数多く送られてきた文芸誌の中でも、大変バランスが良くうまくまとめられていたと感じました。
内容も詩、散文、短歌、俳句、評論など幅広いジャンルに取り組んでいて、
さまざまな分野の作品を綺麗にまとめあげている点も高度なテクニックだと思います。
ただ、少し残念に感じたのは、幅広く取り上げた作品の一つ一つに「ひとつの」作品としての厚みが足りなかった点です。
多くの作品を求めすぎた結果、ひとつの作品にかける時間がなかったのではないかと推測します。
技術や、文章の展開についてはまだまだ未完成な部分はみられるものの、
大変レベルの高い期待できる作品たちだと思います。この賞を足がかりに更なる飛躍を期待しています。 |
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