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貴重な体験―「海ゴミサミット下関・長門会議」通訳補助―(09/11/25)

                東アジア言語文化学科3年  尹成浩(ユン・ソンホ)

 今年の夏はいつもとは少し違う気がした。去年までは韓国の軍隊にいて、復学した私にとっては久しぶりの自由な夏であったからだ。はじめは自由だから遊びたいという気持ちでいっぱいだったが 、自由の大切さを軍隊で教えてももらったため、これから始まる就職活動に備えて、勉強やインターンシップ、そして、生活のためのアルバイトなどをしながら充実した夏休みを過ごしていた。

 その夏休みが終わる頃、大学から一本の電話があった。それは、通訳補助の依頼の電話であった。通訳という活動から学べることはたくさんあるし、自分の語学力を試すチャンスでもあると考え、この依頼を受けることにした。

 依頼は「海ごみサミット下関・長門会議」といって、日・中・韓3ヵ国の行政関係者と学識経験者、関係市民などの方々が参加する会議だった。仕事内容は会場への移動車中と海岸での通訳補助、レセプションでのテーブル通訳補助が主なものであった。
 ところが、会議の一週間前、急に会議資料の翻訳補助の仕事も入ってきた。通訳の経験は何度かあったが、翻訳は初めての経験であった。内容はパワーポイント資料を韓国語から日本語に翻訳する作業だった。まだ完璧ではない日本語の実力で、違和感なく翻訳することは容易ではない。その上、プレゼンテーションのような場面で使われる言葉は専門用語が多いため、特に難しかった。

 通訳補助の当日、私は同じ韓国の留学生(本学学生)3人と共に、担当者から説明を受けたあと、移動バスに乗り込んだ。そして、簡単な会話を通訳しながら、フィールドワークの海岸掃除が行われる長門市へ向かった。

 到着後、市の方々から簡単な挨拶を通訳したのだが、少し遠かったせいで話の内容が良く聞き取れなかったため、円滑に伝えられなかったのが残念であった。そして短い挨拶が終わり、私達も海岸のごみ拾いを地域の方々と一緒に行なった。

 ごみ拾いが終わると、今度は韓国の方から、地域住民へのインタビューの通訳を依頼された。「海岸清掃のボランティアに参加するようになったきっかけ」「海がきれいになった感想」「いろんな地域からボランティアに来てくださる方に対してどう思うか」などの質疑応答を通訳した。特に難しい単語や専門用語がなかったため順調だった。

 レセプションでは、下関市長や長門市長の挨拶など、壇上で行なわれる通訳はプロの通訳者が担当し、私達は韓国人と日本人が共に座っているテーブルで通訳をした。一緒に食事をしながらの通訳で、いろいろな話を聞くこともでき、私も楽しむことができた。約2時間のレセプション終了後、韓国人が乗るバスまで案内して、通訳補助が終了したのだった。

 今回の通訳補助の経験は、今の私にとって大変有意義なものであった。初めての翻訳作業と、通訳で知ることができた母国語の特徴直訳と意訳の違い、そして、自分の日本語の未熟さなどに気づき、もっと努力しなければならないという熱意も強く持つことができた。また、外国語を勉強している私にとって、将来就くことのできる職業の一つとしての「通訳士」を直接体験し、プロの方々の仕事ぶりを目の当たりにすることによって自分の将来設計をすることもできたと思う。
                
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