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高齢者福祉論 in 蓋井島(ふたおいじま)(09/09/25)

 蓋井島(下関市)は、響灘にある人口は96名、高齢化率33.3%の小さな離島です。
島内にある小学校には、生徒が1名しかいません。(小学校を卒業すると、下関市吉見にある中学校に通うことになります。連絡船で片道約40分かかりますので、船着場のすぐそばにある寮に入ります。)
 少子化・過疎化・高齢化という現在の日本の状況を凝縮したようなこの島に、子ども学部の学生他14名が上陸しました。一泊二日の講義とフィールドワークです。
 オリエンテーションの後、さっそく3つのグループに分かれ、島内を歩きます。出された課題は、「住民のかたへのインタビューを通して、島の住みやすさ・島の良いところを集めて来ること」です。
 住民の方々は温かく、学生の拙いインタビューにも快く答えてくださいました。中には、獲れたてのアワビを食べさせてもらった学生もいました。
 やがて、「住みやすさ・良いところ」を集めるなかで、「住みにくさ・不便なこと」の方が多いことに学生は気づきます。便利な時代に育った学生には、驚きもあったようです。
 次は、「人間の問題解決や欲求の充足」と「社会資源」との関係を念頭に、島の社会資源の整理に取り組みます。こうして一日目の課題を終えた学生は、民宿で汗を流し、海鮮バーベキューに舌づつみ。ここでも、島のお年寄りや魚やサザエを獲ってくださった漁師の方々と交流を深めました。
 二日目は、インタビューと調査を基に「島のマップ」作りです。マップには、問題解決のための社会資源が細かく描き込まれていきます。また、歩きにくい道の起伏まで表現されていきます。(このマップを使って講義が行われますが、それは後日のお楽しみ)。
 船酔いした学生もいましたが、天気にも恵まれ、貴重な学びをしたようです。以下、学生たちの感想の一部を掲載しておきます。

学生A:この二日間、島を巡り島民の暮らしを見て話も伺ったが、「島は不便である」という見方を払拭させられた。島民は島での暮らしを自然体で受けとめ、そのニーズを環境に適合させ自立して生きている。しかし、少子化・高齢化は進んでおり、その対策を早く進める必要性を感じた。

学生B:村の若い人から、「介護の勉強なのに、なぜ屋号なのですか?」と尋ねられた。「まず、人とのコミュニケーションが大切なのです」と答えると、納得していただけた。もし、解決しなければならない問題が発生した時は、社会資源の中に解決の糸口があると思われる。汗を流して歩きまわったかいがあった。

学生C:(略)本土に住む私たちにとって、当たり前のコンビニや病院、また学校などもここには無く、とても不便だろうと思っていた。しかし、病院がないから自己管理をしっかりしたり、買い物に出ることが大変だから物を大切にしたりと、私たちに欠けているものがこの島にはたくさんあった。また、近所付き合いや助け合いも多く見られた。(略)

学生D:インタビューをしたおばあちゃんが、「住めば都」と仰っていた。ある方も脳梗塞や心臓病などで何度も入退院を繰り返し、医者に治らないと言われても「今に見とけ、あきらめないと思ってリハビリした」と話してくださった。島を愛する気持ちや精神力を感じた(島のことを話す時の笑顔が印象的だった)。島独特の形となっている社会資源に驚いた。専門職も限られていて、10年先を考えると不安であるが、こんなに優しい島を失いたくないと感じた。

          
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